沈まぬ太陽:地上波異例の4時間ぶち抜きで放送 謙さん「矜持感じた」

2月に4時間ぶち抜きで放送される「沈まぬ太陽」(C)2009「沈まぬ太陽」製作委員会
1 / 1
2月に4時間ぶち抜きで放送される「沈まぬ太陽」(C)2009「沈まぬ太陽」製作委員会

 作家・山崎豊子さんのベストセラー小説を映画化した「沈まぬ太陽」(若松節朗監督)が、2月11日の金曜特別ロードショー(日本テレビ系)で、地上波初放送されることが明らかになった。上映時間が3時間以上と長時間なため映画館では途中10分間の休憩が入ることで有名な作品だが、放送時間をCM含め約4時間に拡大し、午後7時から本編ノーカットで放送するという異例の措置で対応。主演の渡辺謙さんは「この作品は社会に向けての問題作でした。山崎豊子先生の『矜持(きょうじ)』を映画人が受け止め、そしてそれをまたテレビ界がしっかり受け止めて、この作品をそのまま届けようとしてくださいました。テレビ制作陣の『矜持』を感じています」とコメントしている。

あなたにオススメ

 「沈まぬ太陽」は、作中の設定を架空の航空会社としながら、85年の日航機墜落事故の遠因が腐敗した企業体質にあった、と暗に告発して波紋を呼び、「映画化は不可能」ともいわれた山崎さんの同名小説が原作。日本が高度経済成長を実現し世界経済の頂点へと上り詰めていく時代を舞台に、巨大企業・国民航空の労組委員長を務めたエリート社員の恩地元(渡辺さん)が、懲罰人事で海外赴任を強いられ、巨大組織にほんろうされながらも「不屈の精神」を貫いて生きる姿を描いた壮大な人間ドラマ。三浦友和さん、松雪泰子さん、鈴木京香さんら豪華な俳優陣でも話題となり、日本アカデミー賞、毎日映画コンクール、日本映画大賞など数々の賞を受賞した。

 通常の「金曜ロードショー」は、CMを含めた「放送分数」が114分だが、今回の放送ではCMを含めた「放送分数」が234分と、「敦煌」(90年4月放送)の183分、「20世紀少年−第一章−終わりの始まり」(09年8月放送)の174分などをはるかに超え、同枠の日本映画としては最長となった。

 日本テレビの前田伸一郎編成局制作・購入担当副部長は「テーマ性の強い原作を、主演の渡辺謙さんをはじめとするキャスト・スタッフが、熱い思いを込めて1カット1カット積み重ねた作品ですから、オリジナルを尊重してノーカット放送することで、視聴者の皆さまへ制作者の思いをお伝えすべきだとの使命感です」と異例の措置となった今回の放送について語っている。放送は2月11日午後7時から。(毎日新聞デジタル)

テレビ 最新記事