ブック質問状:「GOSICK」 桜庭一樹の巨編いよいよ終幕へ ビーンズ文庫でイラスト入り刊行

桜庭一樹さんの「GOSICK 7−ゴシック・薔薇色の人生」(角川書店)
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桜庭一樹さんの「GOSICK 7−ゴシック・薔薇色の人生」(角川書店)

 話題の小説の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、近代西欧の名門学園を舞台に、天才的な頭脳を持つ美少女と日本からの留学生の主人公がさまざまな事件に遭遇する「GOSICK」(桜庭一樹著)です。角川書店第6編集部の金子亜規子さんに作品の魅力を聞きました。

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 −−この作品の魅力は?

 1920年代を舞台に、“塔の姫君(美少女)”探偵と“死神(日本男子)”ワトソンが活躍する、キュートでダークなミステリーシリーズ。無類に面白い娯楽巨編であると同時に、桜庭一樹の大テーマ、「残酷な世界で生き延びる子供」「世界の秩序を破壊する母」などが随所に登場しており、大人の読者も熱狂させるスケールとクオリティーを持った作品なのです。個人的には、知恵ある美しい獣みたいな少女ヴィクトリカが、カタブツ男子の一弥くんとの出会いによってヒトの世界を知り、友情や愛を覚えてゆく過程にきゅんきゅんします!

 −−作品が生まれたきっかけは?

 最初は富士見ミステリー文庫から刊行されていたシリーズですが、レーベル終了にともない、角川文庫に移りました。現富士見ファンタジアの天才編集長K藤氏と桜庭さんの、企画立ち上げ時のエキサイティングなやりとりは伝説化しています。

 もともと人気のある作品でしたが、角川文庫でお引き受けするにあたり、より広範な、とくに大人と女性に手にとっていただけるような装丁を、と思いました。カズモトトモミさんの素晴らしいイラストでそれが実現!

 −−作家さんはどんな方でしょうか?

 群れない、媚(こ)びない、立ち止まらない人−−常に変わり続け、向上し続けるので、最新作の担当は毎回同業者から嫉妬(しっと)されるという、ある種罪作りな、でも千両役者的にかっこいい作家です。だけではなく、ボンクラなところはとことんボンクラ(桜庭さんのツイッターをご参照ください)なのがまた……なんちゅうか、LOVEです……。大好きだ! あとカレーが大好物で、カレーと聞くとどこからでも登場します。

 −−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。

 ヴィクトリカのかしこさかわいさ! 一弥の不器用な男子っぽさ! 美しく、ときに残酷な世界! 毎回そのすべてに興奮しています。そしてアニメスタッフをはじめ、志の高いクリエーターたちがどんどんGOSICKに引き寄せられ、すごいものを作ってくださる過程にも。

 締め切りもクオリティーもばっちりの方なので、苦労話はありません。この作品と作家にふさわしい担当でいなければ、というプレッシャーが一番大変かもしれません。 

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 4年ぶりの書き下ろし「GOSICK 7−ゴシック・薔薇色の人生」が刊行され、物語はいよいよ終幕へ向けて一気に動き出します。1巻刊行から7年、「いま」の桜庭一樹が描く、少年と少女と世界の、出会いと成長の物語をぜひ見届けてください。そして、今月からビーンズ文庫より、待望の武田日向さんイラスト入りバージョンも刊行が始まります! 1月からテレビ東京ほかで放送中のアニメも素晴らしいクオリティーで、後半に向け4月以降どんどん盛り上がっていきますので、そちらもぜひ!!

 角川書店 第6編集部 金子亜規子

 BD・DVD「GOSICK」1巻 5月10日発売予定 BD 9240円 DVD 6090円

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