女優の香里奈さん(27)が、直木賞作家・奥田英朗さんの短編集「ガール」の映画化で主演することがこのほど明らかになった。共演は麻生久美子さん(33)、吉瀬美智子さん(36)、板谷由夏さん(36)と主役級の女優をそろえ、米ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)」よろしく日本の“女子力アップムービー”を目指す。12年初夏に公開予定。
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小説「ガール」は06年の発売以来、働く女子のバイブルとして支持され、発行部数約30万部を超えるヒットとなった奥田さんの短編小説集。五つの短編からなる原作のうち、「ヒロくん」「ガール」「ワーキング・マザー」「ひと回り」の4編を再構成し、一つの物語につなぎ合わせた。
主人公の滝川由紀子(香里奈さん)は、大手広告代理店に勤めるおしゃれが大好きな29歳。彼氏はいるが、仕事も恋愛も行き詰まり、30歳を目前にして何も得られていない自分に焦燥感を募らせる。友人の聖子・容子・孝子もそれぞれ仕事や人生に悩みを抱え、女としての生きづらさを日々感じている。そんな4人が懸命に自分と向き合いながら、女としての人生を謳歌(おうか)しようと頑張るガールズムービー。
麻生さんは、大手不動産会社勤務の34歳で、夫はいるが子供はいない武田聖子役を、吉瀬さんは老舗文具メーカー勤務の34歳独身の小坂容子役を、板谷さんは自動車メーカー勤務の36歳シングルマザー、平井孝子役を演じる。4人は、勤務先も取り巻く環境も全く異なるのに、なぜか気の合う友だち同士。映画では、それぞれの人生を群像劇で表現しながら、4人が結んだ固い友情を描き出していく。
主人公・由紀子の彼氏、森本蒼太役に向井理さん、聖子の夫・武田博樹役に上地雄輔さん、聖子の年上の部下・今井哲夫役に要潤さん、容子の会社の新入社員・和田慎太郎役に林遣都さん、由紀子の会社の先輩で“イタい若作り女”光山晴美役に檀れいさん、由紀子と対立する取引先の女性社員・安西博子役に加藤ローサさん、聖子の部下・北村裕子役に波瑠さんと、豪華キャストがスクリーンを彩る。
「60歳のラブレター」(09年)、「白夜行」(11年)、「神様のカルテ」(11年)などで知られる若手有望株の深川栄洋監督がメガホンをとった。そのほか「恋空」(07年)と「ハナミズキ」(10年)のスタッフが集結。深川監督は「奥田さんの小説『ガール』を読ませていただき、小説に出てくる登場人物を好きになり、プロデューサーからの打診を受けようと思いました。登場するすべての女性は、窮屈な現代を生きる大人のガールたちです。彼女たちが頑張る姿はユーモラスで美しい。いろんな問題に直面し、乗り越えようと頑張る多くの女性たちを応援する作品になればと思っております」。
香理奈さんは「いつまでも『ガール』でいたい由紀子が直面する悩みは、同じ女性として共感できるものがたくさんありました。そんな女性ならではの悩みをリアルに表現しながら、『女』を思いっきり楽しんで演じようと思います!」と意気込みを語っている。原作の奥田さんは「『ガール』は“オトコ”の私が照れながら、おそるおそる書いた小説です。作者の及び腰の部分は、きっと“オンナ”の本職である女優さんたちがカバーしてくれることでしょう。どんな映画になるか、とても楽しみです」と完成を心待ちにしている。映画は、12年初夏に全国東宝系で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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