ウルトラQ:“怪獣絵師”開田裕治が原画展 カネゴンも祝福

原画展「総天然色ウルトラQ リターンズ怪獣絵師 開田裕治とTOYの世界」のオープニングセレモニーに登場した(右から)カネゴン、開田裕治さん、桜井浩子さん
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原画展「総天然色ウルトラQ リターンズ怪獣絵師 開田裕治とTOYの世界」のオープニングセレモニーに登場した(右から)カネゴン、開田裕治さん、桜井浩子さん

 ウルトラマンシリーズの原点となった空想特撮シリーズの第1弾「ウルトラQ」をハイビジョンカラー化した「総天然色ウルトラQ」ブルーレイ(BD)・DVDボックスの発売を記念して24日、渋谷パルコ パート1(東京都渋谷区)のロゴスギャラリーで原画展「総天然色ウルトラQ リターンズ 怪獣絵師 開田裕治とTOYの世界」が開催された。オープニングには開田さんとヒロインの女性カメラマン・江戸川由利子を演じた桜井浩子さん、人気怪獣のカネゴンが登場した。桜井さんは「作品は白黒だったので、カラーを見てもらえるのがうれしい」とにっこり。カネゴンも桜井さんに耳打ちして「カラーになってもっと人気が出そうでうれしいな」と喜び、2人とともに原画展に訪れたファンを出迎えた。

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 開田さんは、同作品のプラモデルなどのパッケージに描かれる箱絵などを描き続けた“怪獣絵師”の異名を持つ巨匠で、原画展では開田さんの怪獣絵の原画を全作品展示する。会場では、立体的なディスプレーで「ウルトラQ」の怪獣図鑑が楽しめるほか、限定グッズも販売される。作品について、開田さんは「ウルトラQの絵を描く時は(映像を見返さずに)自分のイメージで描いているので、この場面(映像に)あったかなというものもある」と明かした。桜井さんは夕焼けのカネゴンの絵を見て「(ウルトラQを)カラーにする時、ハリウッドの会社で色を付けてもらったので、最初はサンディエゴのような色になってしまった。私たちが目指したのはこの色」と絶賛した。

 「ウルトラQ」は1966年、「ウルトラマン」シリーズを手がけた円谷プロの創業者で映画「ゴジラ」の特撮監督など“特撮の神様”と呼ばれる円谷英二さんの企画で、米ドラマ「トワイライトゾーン」などをヒントに作られた1話完結型、全28話のSFドラマ。青年パイロット万城目淳(佐原健二さん)とその助手の戸川一平(西條康彦さん)、そして毎日新報の女性カメラマンの江戸川由利子(桜井さん)がさまざま怪事件に遭遇し、時にユーモラスに、時にシリアスに解決していくという物語で、ウルトラシリーズでカネゴンのほか、ピグモンのモデルとなったガラモンなどの人気怪獣も登場。最高視聴率36.4%、平均視聴率32.39%を記録して、日本に怪獣ブームを巻き起こした。

 「総天然色ウルトラQ」は、最先端のデジタル化技術で、劣化によるフィルムの傷や汚れを修正し、さらに「“総天然色”カラー」をコンセプトに、当時の撮影現場を知る関係者の証言や当時の資料を基に、作品の世界観で着色するカラーライズを施した。1巻は8月26日、2巻は12年1月27日発売予定。ハイビジョンカラー化した映像について、桜井さんは「佐原(健二)さんも西條(康彦)さんも、もっとけばけばしい色になるのかと思ったら、自然な色なので『何も思い残すことがない』と言っていました」といい、「新作と思ってみてください。開田さんの絵と相まって、イマジネーションが高まる作品です」とPRしていた。原画展は9月7日まで。(毎日新聞デジタル)

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