朝日放送(ABC)が関西ローカルで流す夕方のニュース番組「キャスト」が3日始まり、メーンキャスターの伊藤史隆(しりゅう)アナウンサーはじめ、「改革派官僚」として知られ9月に経済産業省を退職した古賀茂明さんらレギュラーコメンテーターが初回生放送後の会見に登場した。古賀さんは「こちら(関西)に来て分かったのは、東京にいると、東京のニュースが中心だが、関西は、関西のニュースが中心。狭い日本でもぜんぜん違うと分かったので、ここでは自分の考えを伝えるのと同時に、大阪のニュースを東京に持ち帰り、発信していくことをしていきたい」と意気込みを語った。
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番組は、スポーツの現場で数々の名勝負や名シーンを実況してきたベテランの伊藤アナがメーンキャスターを務め、サブキャスターには、朝の情報番組「おはようコールABC」で活躍してきた高橋大作アナと、入社2年目の塚本麻里衣アナを起用。コメンテーターとして、古賀さんのほか、東国原英夫・前宮崎県知事やジャーナリストの大谷昭宏さん、経済アナリストの森永卓郎さん、元阪神タイガースの矢野燿大さん、芸能リポーターの井上公造さん、関西学院大学の鈴木謙介准教授らが出演している。
古賀さんは08年に国家公務員制度改革推進本部事務局の審議官に就任し、改革案を次々と提示したが、09年末から経産省大臣官房付となり、民主党の公務員制度改革を批判してきた。会見では、橋下徹知事が率いる「大阪維新の会」からの大阪府知事選出馬の要請を古賀さんが固辞したことも話題に上り、「今日、こちら(関西)に来て改めて思ったのは、(ノーベル賞最有力候補といわれた)山中(伸弥)先生は東京から出ないし、地方自治の世界でも橋下さんのような人は東京ではなかなか出ない。関西には関西の底力があると思う」と分析。「そこで私のように大阪のことも勉強していない人間が、声がかかったからといって、そんな簡単にお引き受けするのは、自分自身の準備ができていないということと、大阪にはもっと人材がいると思う。その2点が理由です」と明かした。
初の報道キャスターとして番組に臨んだ伊藤アナは、初日の放送を終えて「生まれて48年間、ニュースは見るものだと思っていました。(キャスターになって)現場では、いろいろなことが起きて、1秒1カットでもお伝えしたいという状況なんだと知った。思っていた以上に労力はかかりますが、いい番組を作っていける立場に立てたと思います」と感想を話した。
会見には、35歳の若さで初めて報道番組のコメンテーターを担当することになった鈴木准教授も登場。「35歳とここでは最年少のコメンテーターであり、こちら(関西)にやって来たのも09年と、地場に詳しいわけでもないので、地域に足をつけて話を聞く作業をやっていきたいと考えています」と意気込んだ。
番組は、毎週月~金曜の午後4時50分~同6時54分に放送中。 (毎日新聞デジタル)
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