乙葉しおりの朗読倶楽部:第41回 グリム童話「白雪姫」 初版との違いにびっくり

「白雪姫 グリム童話集1」作・グリム(新潮文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん
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「白雪姫 グリム童話集1」作・グリム(新潮文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん

 美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに50万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが「朗読倶楽部」の活動報告と名作を紹介する「乙葉しおりの朗読倶楽部」。第41回はグリム童話「白雪姫」だ。

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 皆さんこんにちは、乙葉しおりです。

 季節の変わり目でのどを痛めてしまいました……(>_<)

 今はほぼ治ったんですけど、せきが止まらないと本当につらいですよね。

 のどを痛めたときは、加湿したり、薬を塗ったり、首にネギを巻いてみたりといろいろな治療方法がありますけど、皆さんはどんな方法で治していますか?

 さて、10月でよく知られている記念日といえば、体育の日です。

 体育の日は、1964年10月10日に開かれた東京オリンピックの開会式を記念して、1966年から始まった日本の祝日です。

 でも、10月10日は他にも日本固有の記念日がたくさんあることはご存じですか?

 「マグロの日」、「缶詰の日」のように記念すべき何かがあった日もあれば、「銭湯の日」、「転倒防止の日」のように、「1010」の語呂合わせにちなんだ記念日まで、いろいろな記念日がありますから調べてみると面白いですよ(^−^)

 そしてもう一つ、10月10日は野坂昭如さんのお誕生日でもあります。

 1930年生まれの野坂さんは、以前ご紹介させていただいた「火垂(ほた)るの墓」の作者として有名ですが、他にも落語家、漫才師、放送作家、作詞家、歌手など幅広く活動されているんです。

 皆さんも子供のころに一度は聴いたことがある童謡「おもちゃのチャチャチャ」の作詞も、野坂さんの手によるものなんですよ。

 ではここで朗読倶楽部のお話、「文化祭」の4回目です。

 お手伝いの役割分担が決まって、いよいよ文化祭の初日。

 朝、学校の正門をくぐると、校庭のスピーカーから聞き覚えのある声で校内放送が流れていました。放送のお手伝いをしている、部長さんの声です。

 ものおじしない性格の部長さんは、全校放送でも緊張することなく流れるようなしゃべりで、改めてさすがだなと感心してしまいました。

 後で部長さんに聞いたお話だと、漢字で詰まらないよう、原稿にふりがなを振って放送していたとか。

 午後からは体育館で演劇部の公演です。

 私が劇のナレーションだなんて、最初に割り振りが決まったときはちゃんとできるのかとても不安でした。

 でも、私が何度も読み返している宮沢賢治さんの「セロ弾きのゴーシュ」が演目だと聞いて、不安よりも参加したい気持ちが上回ってしまったんです。

 大勢の人の前でのナレーションは緊張しましたけど、朗読大会のことを思い出しながら、無事ナレーションの大役を務めることができました。

 終わったときのお客さんの拍手と、演劇部の人たちのねぎらいの言葉が、今でも昨日のことのように思い出せます。

 こうして文化祭初日は予想以上の成果で終了することができました。

 実は翌日の文化祭2日目に、とんでもないハプニングが起こってしまうのですが……このお話は、また次回に。

 次のお話も、よろしくお願いしますね(*^^*)

■しおりの本の小道 グリム童話「白雪姫」

 こんにちは、今回はドイツの学者ヤーコプ・ルートヴィヒ・カルル・グリムさんとヴィルヘルム・カール・グリムさんの兄弟の手によるグリム童話、「白雪姫」をご紹介します。

 グリム童話は、ドイツ国内で語り継がれるおとぎ話を、資料として後世に残すためにまとめられたもので、1812年から1857年にかけて、追加、削除、改訂を繰り返しながら発表されました。

 この「白雪姫」は、全200作を超えるグリム童話の53番目の作品で、グリム兄弟生誕の地ハーナウ市があるヘッセン州地方の民話が元になっています。

 ある国に、白雪姫という生まれたばかりの王女さまがいました。

 彼女の継母の女王さまはとても美しい方でしたが、わがままで自分以上に美しいものを認めず、いつも「魔法の鏡」に向かって、「世界一美しい女性は誰か」と問い、答えが自分だということを確認して安心するのでした。

 白雪姫はすくすくと育ち、7歳になったある日のこと。

 女王さまがいつものように「世界で一番美しい女性が誰か」と聞くと、魔法の鏡はいつもと違い「白雪姫」と答えたのです。

 女王さまは怒りとねたみのあまり白雪姫をいじめるようになり、ついには彼女を森に連れ出して殺してしまうように、狩人に命令したのでした。

 しかし、まだ幼い彼女を直接手にかけることをためらった狩人は彼女を見逃します。

 小さな子供がひとりで生きていけるはずもなく、すぐケモノに食い殺されてしまうだろうと思われたのですが……

 最初は「できるだけ原話に忠実で資料的価値のある作品」を目指したグリム童話でしたが、実際は多くの部分で内容の改訂が加えられています。

 「白雪姫」も例外ではなく、資料性より子供に読み聞かせられる作品を求められた結果、グリム童話ならではのお話になっていったのです。

 グリム童話の初版や、20世紀に入って発見された「エーレンベルク稿」と呼ばれる初版前の草稿を読み比べると、きっとその違いにびっくりしますよ。

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