東京国際映画祭:小栗旬、監督業に不安はつきもの? 役所広司と初共演 「キツツキと雨」会見

「キツツキと雨」の会見に登場した小栗旬さん
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「キツツキと雨」の会見に登場した小栗旬さん

 俳優の小栗旬さんと役所広司さんが初共演する映画「キツツキと雨」(沖田修一監督)が六本木ヒルズ(東京都港区)で開催中の「第24回東京国際映画祭」のコンペティション部門に日本映画として唯一出品され、小栗さんら出演者が会見を開いた。気弱な映画監督役を演じる小栗さんは、自身が監督デビューした映画「シュアリー・サムデイ」の撮影を振り返り、「(主人公が現場から)一度逃げ出そうとするシーンがあるんですが、気持ちがよく分かる」と監督業で感じた不安を明かした。

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 小栗さんは監督業について、「自分でやりたいと始めたのに、いざやり始めたら大変で、『明日雨にならないかな、どうにか逃げられないかな。誰もいないところへ行きたい』と思ったりしました」と当時を振り返った。沖田監督は小栗さん起用の理由について「小栗旬さんという俳優さんが好きだったということもありますが、映画監督をやった時に、苦労を素直に語っているところを見て、キャスティングの参考にしました」と話していた。

 映画の舞台は、小さな山村。山村に住む木こりの克彦(役所さん)は、ひょんなことから山村にやってきたゾンビ映画の撮影隊を手伝うことになる。気の弱い新人監督の幸一(小栗さん)は、現場をまとめきれずパニック寸前。克彦と幸一はいつしか奇妙なコラボレーションを生み出していく……というほんわかとしたストーリー。俳優の山崎努さん、伊武雅刀さん、平田満さん、高良健吾さん、女優の臼田あさ美さんらも出演し、「南極料理人」(09年公開)の沖田監督がメガホンをとる。主題歌は、シンガー・ソングライターで俳優の星野源さんの書き下ろし曲「フィルム」が起用されている。

 小栗さんと同じく、映画監督の経験がある役所さんは「この中に出てくる俳優やスタッフは誇張されているけれど、かなりリアル。裏のことも知っているので、楽しんで参加できました」と笑顔で語ったが、脚本の出来の良さに「これだけ面白いと、演じて面白くなくなったらどうしようという不安はあった」とプレッシャーも明かした。一方、小栗さんは「沖田監督は、『特に何が悪いんじゃないけれど、もう一度やっていいですか?』と言うことが多い。何を変えるわけではなくもう一回やる中で、何かが違ったんだろうと、日々体験していく毎日でしたね」と沖田監督の気弱な一面を指摘し、会場を沸かせていた。

 映画は、12年2月11日に公開予定。(毎日新聞デジタル)

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