04年に単発番組として放送され、06年からレギュラー化されたNHKのコント番組を映画化した「サラリーマンNEO劇場版(笑)」(吉田照幸監督)が3日、公開された。
ウナギノボリ
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この映画、いささか、いや、かなり無謀ではないか……。そんなこちらの心中を察知したかのような本編冒頭の“クギ刺し”。ニュースキャスター2人が登場し、映画化がいかに無謀かをとうとうと語る。本編最後でもコント解説員の沢村三樹氏が映画化の無謀さを繰り返し指摘し、さらに撮影秘話についても解説してくれるという気の配りよう。極めつきは、タイトルに付けられた自虐的な「(笑)」の文字。ところどころに仕掛けられた、ユーモアというよりギャグは、“オヤジギャグ”の領域で、しかしだからこそゆるい笑いがこみ上げる。
映画は、テレビ版のようなショートコントあり、言葉講座あり、体操ありといった構成とは違い、一つの物語になっている。ビール業界5位のNEOビールに入社した新城誠が、シェアナンバーワンを目指すことを決意した社長の命令により新商品開発に駆り出される。新城は、適当に言った企画が通ってしまいプロジェクトリーダーにまつり上げられ、各部門から集められた社員たちと新商品の開発に着手するが、ことはそう簡単に運ぶはずもなく……。
新城役は、俳優として活躍中の小池徹平さん。上司役の生瀬勝久さん、先輩社員役の沢村一樹さんらテレビ版のレギュラー陣に支えられながら、初めてコントに挑戦した。また、人気絶頂のアイドルグループ「AKB48」から篠田麻里子さんが“参戦”し、“裏の顔”を持つ会社受付嬢をチャーミングに演じている。さらに郷ひろみさんが22年ぶりに邦画に登場するという“サービス”もある。定番コントを活用した盛りだくさんの内容で、第6シーズンまでを放送したテレビ版のファンが“ハマれる”こと必至。その一方で、今作で初めて「NEO」の世界に触れる人は、一人の新人サラリーマンの成長を見守り、労働の喜びについて描いた作品として楽しむことができる。3日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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