女優デビューして16年目を迎えたりょうさんが初主演しているドラマ「ビターシュガー」(NHK総合、火曜午後10時55分)が現在、放送されている。りょうさんは7年付き合った男性と別れて以来、男っ気なく過ごしてきた独身39歳の映画ライター市子役で、同級生の女性たちと本音をさく裂させながら恋や人生に奮闘していく役どころを演じている。りょうさんに主演に対する考えや、役柄について聞いた。(毎日新聞デジタル)
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りょうさんは、モデルとして芸能活動をスタートさせ、96年の「ロングバケーション」(フジテレビ系)でドラマデビューした。主演まで長い道のりに思えるが、これまで「特に強く主演を(やりたい)という気持ちはなかった」という。その理由を「自分が面白いと思える作品で面白い役をやりたいなと思っていて、それをするには主演じゃない位置だろうなっていうのと、テレビドラマで主演の人って、私の中では私みたいなタイプじゃないと思っていた」と明かす。また、「忙しいのが向いている方ではないので、出番が少なく面白い役というのが、自分が居心地のいい位置だった」と振り返る。
今回演じた市子は、恋に悩み生きていく女性。共感する部分はあったかと聞くと「自分と違うなと思いながら、やっていました」と笑った。「(市子は)39歳なんだけど、仕事にまで恋愛を引きずってしまう。私は(結婚していて)状況が違うからというのもあるんだろうけど、仕事は仕事で、恋愛は絶対入らない。みんなはそう(恋愛を仕事に引きずる)なのかもしれないけど、私にはなかった」と話した。
また「(市子は)2人の男性の間で揺れ動いて不安定な人。(それに対して自分自身は)『しっかりして!』と思っちゃう(笑い)。市子は恋愛に対してすごくピュアでまっすぐな人なので(恋に)のめり込んでしまう。私はそういうの忘れていたかな、という感じ」と話し、「すごい若い時分、高校生とかはそういう感じだったけど」とあっけらかんと笑った。そして今回の役作りについて「市子のまっすぐ純粋に恋愛にのめり込んでいく方向を自分なりに受け止めて、チャーミングにできればいいなと思ってやってみたんです」と話した。
このドラマは、市子と、和久井映見さん演じるウインドーディスプレー・デザイナーで年下のカメラマン男性と同居しているが破局寸前という独身のまりと、鈴木砂羽さんが演じる既婚者で専業主婦だが、夫が蒸発してしまった奈津の3人の本音トークがテーマ。主に市子の家で本音トークを繰り広げるシーンが多く、りょうさんは「見ている人が身近に感じられるようにやりたいと思って、すきのある芝居にしたつもり」という。「この作品を見て、いろいろ突っ込んでもらいながら、何となくスカッとして『明日も頑張ろう』『自分も40年近く生きてきて楽しいよね、誇りに思えるよね』と思ってもらえれば」とアラフォー世代に向けてメッセージを送った。
次回は、りょうさんの休みの過ごし方や人生の転機などを聞く。
<プロフィル>
りょう。73年1月17日生まれ。埼玉県出身。血液型O型。身長165センチ。モデルとして活動を始め、96年にドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ系)で女優デビュー。その後は「フェイス」(97年、フジテレビ系)、「女医」(99年、日本テレビ系)、「ラストクリスマス」(04年、フジテレビ系)などのドラマや、99年の映画「双生児」(塚本晋也監督)、03年の「アカルイミライ」(黒沢清監督)、09年の「GOEMON」(紀里谷和明監督)などの映画に多数出演。今年は出演した松本人志監督の映画「さや侍」が公開されたほか、連続ドラマ「名前をなくした女神」(フジテレビ系)などが放送され、冬に湊かなえさん原作のドラマ「境遇」(朝日放送)が放送される予定。12年のNHK大河ドラマ「平清盛」にも出演する。
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