ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
17日に第146回芥川龍之介賞(以下、芥川賞)に選ばれた円城塔(えんじょう・とう)さんが受賞後、東京都内で会見した。おもなやりとりは以下の通り。(毎日新聞デジタル)
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−−今の気持ちを一言で。
このたびは栄誉ある賞をいただけて非常に光栄です。たいへん大胆な決断だったのでは。私の小説はだいたいが奇妙な小説と言われていますが、その奇妙な方向でやっていいよと言われたと認識しております。これからも奇妙な小説をもっとやっていけたら。
−−今回3回目の候補作で順調にここまできたようにお見受けしますが。
早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を11月にいただいたんですが、受賞者が芥川賞か直木賞を取らねばならないという大変怖い賞で、今回無事いただけて大変ありがたい。まだまだ直さなきゃいけないところはあるし、ようやく少し文芸誌に載るもの、小説として自分がやりたいものを高めていたところでいただけたので大変いいタイミングでいただけたなと思いました。
−−ご両親への報告は?
電話を掛けたんですが、話し中で(笑い)。向こうからかかってきて「お前はなぜ連絡しない」と。
−−最初に言った「大胆な決断」とは?
芥川賞というのは多くの人に読まれる賞なのでそれにはまだ足りないかな、と。ただ小説はいろんな方に読まれるので、(自分の小説のような)こういうのも広めてもいいのではないか、と判断いただけたのかなと思う。
−−純文学、SFと幅広い分野で活躍されているが。
いろいろやっていければと思う。とりあえず次作は同時期にデビューして3年前に亡くなった伊藤計劃(いとう・けいかく)さんの「屍者の帝国」という30枚ほどの小説を完結させるというのを次の仕事としてやらせていただければ。
−−奥さんからは受賞してどんな言葉を掛けられましたか?
とくに。直前に体調を崩して、ホテルで休んでいた。ニコニコ動画の生中継を見ていたら電話がかかってきて、よく分からないうちにばたばたと決まったと聞いた。ちょっと落ち着いてから、ああよかったと思った。
−−影響を受けた作家は?
安部公房さん。系譜というとあれ(おこがましい)ですけど、ちょっと外れたと見なされる路線は少なくなっているので、安部さんの路線を行きたい。
−−奥さんとは仕事の話はしない?
あまり聞かないことにしている。こっそり読んでいるかも、しれないが。読んでいても(自分に)聞かないようにしてくれと言っている。
−−伊藤計劃さんはどういう存在?
友人だったのかと言われると、あまりにも早い、短い期間でしたのでほかにも付き合いがある方もいらっしゃるのであれなんですが、大変優れた書き手であって、大変僕も影響を受けた作家です。
−−今回同時に芥川賞を受賞した田中さんは古めかしい、円城さんは新しい文体と講評されている。田中さんの作品についてどう思う?
今回、2人でいただけたのはバランスだったのでは。ありがたいのは無論ありがたいですが。1人でいただくより気が楽で、あちらが右を守り、こちらが左を守るなど分担できる。新しいと言われますと、文学の新しさは何かという話になって実験的なものを書かれている方は100年前にもいたし、本当に新しいものを書き続けるのは難しい。バランスを探していかなくては。まだ迷っているところです。
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