相棒:シリーズ卒業の及川光博「ちょっと寂しい」 水谷豊は再登場に淡い期待

「相棒」シーズン10で卒業が決まった神戸尊を演じる及川光博さん(右)と杉下右京役の水谷豊さん
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「相棒」シーズン10で卒業が決まった神戸尊を演じる及川光博さん(右)と杉下右京役の水谷豊さん

 歌手で俳優の及川光博さんが人気刑事ドラマ「相棒シーズン10」(テレビ朝日系)の最終話で「相棒」シリーズから卒業することが7日、明らかになった。水谷豊さん演じる警視庁の窓際部署「特命係」のキャリア警部・杉下右京の相棒として09年3月放送のシーズン7の最終話に登場してから約3年間、相棒の神戸尊役として出演してきたが、今シーズンをもって「特命係」を去ることになった。

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 同日行われた会見で、及川さんは「新しい相棒として参加するのは大きいプレッシャーを感じましたが、日々が過ぎていくとともにプレッシャーが達成感に、達成感が充実感に変わっていった」と振り返り、「(水谷さんは)先生のような存在。人生について語り合ったり、演技について教えてくださったり、思い出がありすぎて何を話していいか。大変勉強になりました。それだけは間違いない。『みっちゃん、みっちゃん』と毎日呼んでくださって、その声が聞こえなくなるのはちょっと寂しいですね。ありがとうございました」と水谷さんに向かって頭を下げた。

 また、及川さんは「(卒業は)実は前々から決まっていた。シーズン9のときには卒業の構想があった。(卒業に向けて)盛り上がればいいかなと思ってました」と告白。水谷さんは「(及川さんから)『知ってますか、僕ら仲悪いんですよって』と言われて、そんな話が出るくらいになったんだなと思いましたね」と一部でささやかれていた“不仲説”を自ら切り出し、やんわり否定。「神戸尊がどういう去り方をするのか、警察の中に残るのなら、神戸尊がまた登場することもあるのではと淡い思いも抱いています。3年間ですが、お疲れさま」と“相棒”をねぎらった。

 水谷さんは、「僕らはこの3年間、密度が濃かったですね」としみじみ。及川さんも「毎日のように一緒にいましたね。密度の濃い3年間でした。楽しいことばかりではないですけど、走馬灯のようによぎりましたね。『劇場版2』のあった年は9カ月撮影してましたし、長ぜりふとの格闘は大変なものがあった。でも、水谷さんと冗談を言い合ったりしてるときは楽しかったですし、それが春からなくなると思うと寂しいです」と明かした。

 及川さんは「(印象に残るのは)シーズン8の最終回。尊が特命係に残るという選択をするんですが、そこで『ようこそ特命係へ』と右京さんに言ってもらったときは、本番だったんですが、ちょっとウルッと来ました」と告白。水谷さんも「最後の最後で、OKが出た瞬間に、みっちゃんの目に涙がたまったんですよ。クールな男だと思ってたけど、大変なプレッシャーだったと、そんな思いを持ってきてくれてたんだと思った。今回の最終回、最終カットが終わったときにどんな顔をしているのか気になって」と語ると、及川さんは「どういう顔してるんでしょうね。すがすがしい顔してるかも知れませんね」と笑顔を見せていた。

 相棒シリーズは、警視庁の窓際部署「特命係」のキャリア警部・杉下右京(水谷さん)がその天才的頭脳で推理し、相棒とともに難事件を解決するドラマ。10年から11年にかけて放送された「シーズン9」では、第16話でシリーズ最高視聴率となる23.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。全18話の平均視聴率も過去最高の20.3%とシリーズを通して初めて20%の大台を超えた。10年末に公開された劇場版第2弾「相棒−劇場版2−警視庁占拠!特命係の一番長い夜」もヒットした。「シーズン10」も14話までの平均視聴率が16.4%と好調で、初回には今シーズン最高の19.7%を記録している。

 及川さん演じる神戸尊の卒業発表で、後を継ぐ新たな相棒に注目が集まるが、キャストの発表はこれから。男性が起用されることだけは決まっているという。「相棒シーズン10」は、毎週水曜午後9時~同54分に放送中。最終話は3月中旬に放送予定。(毎日新聞デジタル)

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