06年に中国・成都で体重わずか51グラムで生まれたパンダの赤ちゃん「ウーイー」の成長を追ったドキュメンタリー「51(ウーイー) 世界で一番小さく生まれたパンダ」の前売り券の売れ行きが好調だ。11年12月23日~12年2月5日にシネコン「ユナイテッド・シネマ」の全20スクリーンで集計したところ、合計で1706枚を売り上げ、同所で前売り券を販売している全作品中、トップの記録となった。
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内訳は一般券が1274枚、大学生以下とシニア券が432枚。2位以下には「ドラえもん のび太と奇跡の島 アニマルアドベンチャー」「プリキュアオールスターズ NewStage みらいのともだち」「アメイジング・スパイダーマン」「ウルトラマンサーガ」などヒットシリーズの新作など話題作が並ぶ。
タイトルの「ウーイー」とは、中国語でウーは5、イーは1を意味する。06年に中国・成都にあるパンダ研究基地で体重わずか51グラムの超未熟児で生まれたパンダは「ウーイー」と名付けられた。通常の3分の1の重さしかないか弱いパンダの赤ちゃんの命をつなぐべく飼育員たちは奔走し、成長して行く姿を研究基地の膨大な映像資料を基にに長編初挑戦の塩浜雅之監督がドキュメンタリー映画に仕上げた。
研究基地で撮影された映像資料から分かったパンダの生態についての五つのトリビアを紹介しよう。まず一つ目のトリビアは「パンダは50%の確率で双子を産む」ということ。パンダの母親はおよそ50%の確率で双子を産むが、野生のパンダはそのうち強い方の1匹しか育てないという。自然界の“弱肉強食”の法則はパンダが生まれたときから始まっている。二つ目のトリビアは「母親パンダは生んだばかり赤ちゃんを素早く抱き抱えなければならない」。生まれたばかりのパンダは母親パンダの1000分の1の体重しかなく、野生では、他の動物の餌食になってしまうため、母親のパンダは、生んだ赤ちゃんを素早く抱きかかえるのが最初の仕事となる。初めて子を産む新米ママパンダにとっては一つの試練だ。
三つ目のトリビアは「パンダにも育児放棄や育ての親など人間に通じる現象が見られる」ということ。今作に登場する新米ママパンダのマオマオは、長い陣痛の末に産んだ赤ちゃんパンダを見て、動揺し、鳴き声にも驚いて何もできずにうつむいてしまう。赤ちゃんパンダは母親に抱きかかえてもらえず、育児を放棄されてしまう。また、自分の赤ちゃんと上手に接することができない母親パンダに代わって赤ちゃんの面倒を見る育ての親的なパンダの存在など研究基地に暮らすパンダたちには人間にも通じるさまざまな親子のドラマを見ることができる。
四つ目のトリビアは「パンダは肉食動物なのに竹しか食べられない」。パンダは肉食動物なのに主食である竹以外のものはほとんど食べない。大人パンダが1日に摂取する竹の量は約20キロに及び、自然界の限られた食糧を奪い合う争いを避けるため、パンダは大人になると単体で暮らす。また、消化することがあまりできないため、栄養をとるためには食べ続けなければならず、大人パンダは食べてばかりいる。五つ目のトリビアは「今作の主役、ウーイーの祖母はかつて日本にいたメイメイ」。ウーイーの母・チージェン(奇珍)はアドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)で08年に亡くなったメイメイ(梅梅)が来日前に産んだ子で、メイメイはウーイーの祖母ということになる。
映画「51(ウーイー) 世界で一番小さく生まれたパンダ」では、モデルの長谷川潤さんがナレーターに初挑戦し、気鋭の書道家、金澤翔子さんが題字を書き、ミゲル君がテーマ曲「翼をください」を歌い上げている。11日から全国で公開。(毎日新聞デジタル)
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