話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、死んだ父親の後を継いで宇宙海賊の船長として奮闘する女子高生の姿を描いた「モーレツ宇宙海賊(パイレーツ)」です。監督・シリーズ構成を手がけた佐藤竜雄さんに作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−作品の概要と魅力は?
話としては本当にベタなスペースオペラ。死んだはずの父親が実は宇宙海賊で、その後継ぎとして自身が半ば強制的に指名され、さて、どうする哀れなヒロイン。面食らった彼女はバイトに部活に明け暮れる普通の女子高生であって、特に海賊に役立つような取りえなどない──はずだったのだけれど、彼女には唯一無二の武器があった。その武器「決断力」によってヒロイン茉莉香が男前な海賊船長になっていく過程が見どころかなあと。
−−制作決定の経緯と、アニメにするときに心がけたことは?
原作が出て早々に「“スペオペ”をやろう。これはあんたがやるべき」と言われて面食らいましたが、「確かにこれはオレがやらないといかんなあ」とまだ1巻しか出ていない原作本を読んで思いました。とりあえず最初に思ったのは、いかに原作のテイストを壊さずに26話を駆け抜けようかというところ。笹本(祐一)さんの小説ですから、この先出るであろう2巻以降に、とても有能で面白い連中が増えていきそうなのは予想できたので、茉莉香の「主人公力」をどこに持っていくかとかの、キャラクターバランスの再調整にかなり気を使いました。
−−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?
スペースオペラを今の技術で描くことができる! これがまずうれしかったですね。あとは、SFガジェットを絡めたストーリー作りにGOサインが出たというところ。これは「原作ものだから」という錦の御旗があったから。僕はオリジナル作品に携わることが多いので、何で今回原作ものをやるのか?と尋ねられることが多いのですが、オリジナルでこういう企画を通すのは現状なかなか難しいので。その辺り結構戦略的にやってます。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
宇宙海賊としての道を選んだ茉莉香は、その先何を選ぶのか。彼女は宇宙に何を見るのか? そして白凰ヨット部、彼女たちの活躍ぶりは原作エピソードにないものもいろいろ用意されています。弁天丸では船長でも、ヨット部では他の部員に振り回される、そんな茉莉香の悪戦苦闘ぶりも見どころです。弁天丸の意外な運用方法であったり、新型艦の登場とか、決して幽霊船探しで話が落ち着くわけではありませんので後半もお楽しみに。
監督・シリーズ構成 佐藤竜雄
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