注目映画紹介:「ジョン・カーター」 アニメ監督ならではのキャラ造形 実写の臨場感も

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 ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品「ジョン・カーター」が13日、公開された。のちのスペースファンタジーに多大な影響をもたらしたとされるエドガー・ライス・バローズ(1875~1950年)による伝説的SF小説が原作で、バルスームという未知なる惑星を舞台に繰り広げられるスペクタクルアドベンチャーだ。

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 バルスームという未知の惑星に迷い込んだ地球人ジョン・カーターが、滅亡の危機に瀕(ひん)したその惑星の救世主として戦う姿が描かれていく。監督を務めたのは「ファインディング・ニモ」や「ウォーリー」のアンドリュー・スタントンさん。これまでアニメーションの世界で活躍してきたスタントン監督にとって初めての実写作品。身長約3メートル、4本の腕を持つ異星人サーク族や、カーターの忠実な愛犬となる“キモかわいい”容姿のウーラなどは、なるほどアニメーションの世界で経験を積んだからこそ表現できるキャラクターだ。その一方で、実写ならではの臨場感にも配慮し、米ユタ州の岩壁地帯や平原などで撮影を行い、デジタル造形は最小限にとどめた。それによって、例えばカーターが跳び上がるときに舞う土ぼこりを臨場感たっぷりに自然に表現するなど、本物らしさが垣間見られる。

 カーターに扮(ふん)するのは「ウルヴァリン:X−MEN ZERO」で注目を集めたカナダ出身のテイラー・キッチュさん。カーターと固い絆で結ばれるサーク族の皇帝タルス・タルカスにウィレム・デフォーさん。原作では、完全無欠のヒーローとして描かれていたカーターは、映画では妻子についても言及し複雑な内面を表現しようとしているが、共感を得られるほどにはなっていない。その点では少し食い足りないが、バルスームという惑星の“世界観”は存分に味わえる。このジャンルが好きな人には満足のいく仕上がりだ。13日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(毎日新聞デジタル)

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