人気作家・東野圭吾さんの短編小説を、週替わりの主演とストーリーで、フジテレビが「木曜劇場 東野圭吾ミステリーズ」(木曜午後10時)として7月から連続ドラマ化することが15日明らかになった。初回の主演は、「白い巨塔」と「不毛地帯」で主役を務め“木10”の顔ともいえる俳優の唐沢寿明さん。07年の「ガリレオ」に続き、2度目の東野作品に出演する唐沢さんは「今回も非常に楽しみにしています。東野さんの作品は、トリックの巧妙さはもちろんですが、人間の弱さやずるがしこさといった、誰もが抱える闇の部分を繊細に描いているところに魅力を感じます。人間の心理の面白さや奥深さを、共演者の皆さんと演じていきたいと思います」と語っている。
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また、ドラマのナビゲーターを中井貴一さんが担当。中井さんはとあるミステリー雑誌の編集長にふんし、架空の編集部を舞台にこれからはじまるストーリーへと視聴者をいざなう案内人を務める。一筋縄ではいかないキャラクターで、冒頭のわずかな時間で視聴者に各ミステリーを独特のユーモアをまじえて紹介する。ドラマのナビゲーターに初挑戦する中井さんは「果たして、どんなミステリーが皆様を待ち受けるのか。私自身も楽しみに、作品の中へとご案内させていただきます」と意気込んでいる。
ドラマは全11話で、東野さんの短編小説集「犯人のいない殺人の夜」「怪しい人びと」「あの頃の誰か」(光文社文庫)から11作品を厳選し、シリアスあり、コメディータッチあり、ホラーテイストありのミステリーを展開する。唐沢さんが主演の初回は、「犯人のいない殺人の夜」に収められている「さよならコーチ」という作品が原作。実業団アーチェリー部のコーチ・石上純一(唐沢さん)は、愛弟子の望月直美をオリンピック出場を逃したことが原因による自殺で失う。直美の遺書ともいえるビデオレターは「さよなら、コーチ」という万感の思いを込めた言葉で結ばれていた。アーチェリー部は解散し、退社を余儀なくされる石上。そんな中、石上の妻が直美のストーカーに襲われる。果たして、直美の死の真相とは……というストーリー。
初回以降も豪華な主演陣が控えており、大阪を舞台に殺された夫の事件を追う本格ミステリー「エンドレス・ナイト」は松下奈緒さん、謎めいた少女が起こした殺人事件に巻き込まれた弁護士の運命を描く「レイコと玲子」は観月ありささん、疑惑の事故で娘を失った男の究極の葛藤を描く「甘いはずなのに」は反町隆史さん、殺された恋人が残した文字の謎(シャレード)を追うコメディータッチのミステリー「シャレードがいっぱい」には長澤まさみさんが決定している。他の回の主演については後日、発表される予定。
フジテレビの小池秀樹プロデューサーは、同ドラマについて「さまざまなスタイルの東野圭吾ミステリーを毎回違う主演でお楽しみいただこうという豪華企画です。テーマはさまざまですが、どの作品も東野圭吾ならではの予想を裏切るあざやかな展開と結末が用意されています」とコメント。また、配役については「初回に唐沢寿明さんをお迎えしたのは、木曜劇場枠で活躍されてきた方に斬新なこの企画の幕開けを飾っていただきたいという強い思いがあったからです。そして、ナビゲーターに中井貴一さんをお迎えしたのは、東野圭吾ミステリーズという連続ドラマの“表紙”を本格的かつ知性とユーモアあふれるものにしたく、その役にふさわしい方は中井さん以外にありえないと考えたからです」と明かしている。(毎日新聞デジタル)
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