染谷将太:映画「ヒミズ」に“幻の乱闘シーン”「必見です」

映画「ヒミズ」で主演を務めた染谷将太さん
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映画「ヒミズ」で主演を務めた染谷将太さん

 俳優の染谷将太さんと女優の二階堂ふみさんが第68回ベネチア国際映画祭で日本人初のマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)を受賞した園子温監督の映画「ヒミズ」のDVDとブルーレイ(BD)が3日に発売される。15歳の少年と少女がぶつかり合う青春映画でもある同作だが「僕自身も今はとても楽しいので多分青春しているんだろうな。この仕事をずっと続けていられれば、ある意味ずっと青春しているんじゃないかな」と話す染谷さんに、公開から約半年たってみての心境やDVD&BDの見どころについて聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「ヒミズ」は、ギャグマンガ「行け! 稲中卓球部」で知られる古谷実さんが、ギャグを排して描いたシリアスな青春マンガが原作。01~03年に「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載され、コミックスは全4巻が発売されている。平凡な人生にあこがれる中学3年の少年・住田祐一(染谷さん)が、ある事件をきっかけに心に闇を抱え、学校へ行かずに「悪いやつ」を捜すようになる……というストーリー。園監督の初の原作ものの実写化作品で、撮影準備中に東日本大震災が起こったことで「“終わりなき日常”から“終わりなき非日常”が当たり前になってしまった若者を描きたかった」との思いから園監督は設定を「震災後の日本」に変更し、脚本も大幅に書き換え、被災地で撮影を行ったことでも話題になった。

 ベネチア国際映画祭で受賞したときの心境について、染谷さんは「受賞の報道を見て不安に駆られたけれど、日常は変わっていない。誇りには思っているけれどプレッシャーはなく、いい方に行けたと思う」と振り返る。映画公開後の周りの反応は「知り合いといたときにグダーッてしてたら『がっかりだよ』って言われて。『(染谷さんが演じた)住田はすごかったのに今のお前は何なの?』とか。父親からは『毎日ばかみたいにボーッとしてるだけじゃないんだな』って言われました。まあ(そういう反応は)うれしいんですけれど」とはにかみ「園監督の作品にはまた出たいですね。『ヒミズ』を超えなきゃという気持ちになるのかな。また新しいすごいことが起きるんじゃないかなという気がしますね」と目を輝かせた。

 DVDの見どころについて染谷さんは「未公開シーンに収録されている、幻の大乱闘シーンがあるんです。“自由人”と住田と茶沢対深水元基さん率いるヤンキーグループが大乱闘をする。そこだけ映画が違います。やっているうちにみんな分からなくなって。撮影をしているときから『ここはカットされるだろうな』って分かっていたコメディーチックなシーンなんですが、必見です」と力を込めた。DVD&BD「ヒミズ コレクターズ・エディション」は本編に特典映像が付くほか、未公開シーン集やメイキング映像などが収録された映像特典付きでDVDが4935円、BDが6090円。初回生産特典として古谷さんの描き下ろしイラストポストカードが付く。

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