渡部篤郎:松本清張ドラマで2度目の加害者役 「犯人顔?」と苦笑い

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 俳優の渡部篤郎さんが、松本清張の短編を映像化した30日放送のスペシャルドラマ「危険な斜面」(フジテレビ系)で主演を務めることが7日、明らかになった。かつての恋人を利用してのし上がり、その存在が邪魔になると完全犯罪を企てる男を演じる渡部さんは「清張作品への出演は2度目。以前も犯人役でしたね。犯人顔なんですかね。また今回も犯人で」と苦笑い。また被害者となるヒロインを長谷川京子さんが演じ、完全犯罪を暴くヒロインの元恋人を溝端淳平さんが演じることも明らかになった。

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 「危険な斜面」は1959年に発表された短編小説。同局の「松本清張没後20年特別企画」第2弾として放送される。西島電機の社員で出世とはほど遠い生活を送っていた秋場文作(渡部さん)は、ある日、会社のトップ西島会長(中村敦夫さん)の秘書室長兼愛人の女性・野関利江(長谷川さん)が、自分のかつての恋人だと気づく。11年ぶりの再会で2人は引かれあい、秋場は利江を利用して西島会長の信頼を得ることに成功する。次第に妻子のいる秋場の愛を独占したいと考えるようになった利江は、秋場に妊娠を告げ、結婚を迫る。その瞬間、秋場の心に殺意が芽生えた。その後、利江の白骨化した死体が山中から見つかる……という物語。

 渡部さんは「長谷川さんとは8年ぶりくらいで2度目の共演」と振り返り、「その時も僕、長谷川さんを土に埋めたんですよ。埋めるのも2度目。(自分は)埋め顔なのかな?」とジョークを飛ばしている。役について「犯罪者の役でも、あくまで一つのエンターテインメントとして、加害者の悲しみなどをきちんと演じられれば」と意気込んでいる。

 一方、長谷川さんと溝端さんは、今回が清張作品のドラマ初出演。長谷川さんは「独特な世界観の中で女性が色っぽく描かれているイメージ。以前から演じたいと思っていたので今回お話をいただいてうれしく思います」、溝端さんは「いつか大人になった時にお話をいただければと思っていたので、こんなに早く出演が決まってうれしい」と喜んでいる。また溝端さんは、利江と交際しながらも、秋場の登場によって利江から距離を置かれてしまい、後に利江殺害の犯人を突き止めようとする男・沼田を演じることから「長谷川さんは会うたびにキレイになる。(長谷川さんと)恋人役なので、おれ、がんばらないと2人が恋人に見えないな」と気を引き締めていた。

 企画を手がけた同局編成部の水野綾子さんは、渡部さんらの起用について「テーマは色気です。秋場も利江も沼田も色気のある方に演じていただかなくてはいけない。(さらに)3人とも途中からひょう変したり、二面性があったりする役どころなので二つの顔を魅力的に見せてくださる方でなくてはなりませんでした」と語っている。

 放送は30日午後9時~11時9分。(毎日新聞デジタル)

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