ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、「ささみさん@がんばらない」=日日日(あきら)著、左画=です。小学館ガガガ文庫編集部の星野博規さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
引きこもりの女の子ささみさんと、“奴隷体質”のお兄ちゃんの2人暮らしの兄妹を中心に、可愛い女の子がたくさん出てくるお話です。というと、「残念系? 日常ラブコメ……?」と思われるかもしれませんが、日本神話をモチーフにした「神様」や「妖怪」なんかも出てきます。じゃあ非日常系?ファンタジー……?
そのどれもちょっとずつ違う、不思議な作品です。でも、もし自分の日常に少し不思議なことが起こって、そして可愛い女の子が周りにたくさんいてくれたら……という誰もが一度は妄想しがちなシチュエーションを鮮やかに見せてくれる、「日本神話」×「現代版・不思議の国のアリス」みたいな物語という感じでしょうか。
−−作品が生まれたきっかけは?
私がライトノベルの担当になりたてのころでした。日日日さんに「ガガガ文庫で書いてほしい」と、面識も何もない状態から、いきなり飛び込みの体当たりで口説きました。
「いまは他のシリーズでいっぱいなので、無理です」と一度は断られたのですが、メールでやり取りするうちに、「ネットでの情報の広がり方って、神話の成り立ちと似たところありませんか?」というような話で盛り上がりまして、日日日さんが「その話面白そうですね。何か書けるかも」となり、そこから企画が立ち上がりました。
−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか。
日日日さんはとにかく、「ナチュラルボーンストーリーテラー」というか、物語を書くために生まれてきたのでは、と大げさではなく思うくらい次々と新たなる物語を繰り出せる人です。
毎回、執筆の前にその巻の内容をどうするかの打ち合わせをするのですが、そこからどうやってこんな話になるのか、と担当編集の私にも全く想像していないシーンやセリフ、物語のエッセンスが入っていて、毎回驚きです。一体、日日日さんの頭の中ではどうやって物語が生産されているのか。独特の思考回路があるんだろうな、ということしかわかりませんが。
左さんは毎回、ものすごく作品を読み込んでからイラストを描いてくださるので、一つ一つの挿絵やシーンが、よく見るとすごく奥深いものになっています。何より左さんの描く女の子は繊細で可愛く、プリントアウトする瞬間は毎回自分へのごほうびとなっています。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
日日日さん×左さんのコンビを、この「ささみさん@がんばらない」という作品で実現できたことで、「自分グッジョブ」と思ってしまっているので、そんな自分を戒めて良い作品作りに関わっていこうと思っています。大変なのは、お二人ともめちゃくちゃ忙しい方々なので、スケジュールの調整です。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
新房昭之監督、アニメーション制作・シャフトでアニメ化されます。この不思議な作品がどう映像化されるのか。原作担当編集として楽しみで仕方ありません。もちろん原作も、すべての神話を食らいつくさんとする日留女に、ささみさんは対抗できるのか……最大の盛り上がりを見せますので、お楽しみに。
小学館 ガガガ文庫編集部 星野博規
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