空から日本を見てみよう:異色の空撮地理番組がBSジャパンで復活 尽きぬ空への思い

「空から日本を見てみよう plus」についての思いを話す高橋弘樹プロデューサー
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「空から日本を見てみよう plus」についての思いを話す高橋弘樹プロデューサー

 空から日本各地を見下ろし、気になるスポットに迫っていく異色の地理番組としてテレビ東京系で放送され人気を集めていた「空から日本を見てみよう」の続編「空から日本を見てみよう plus」が2日、BSジャパンでスタートした。関東近郊が多かった前作から「地方の比率を7割くらいにする予定」とバージョンアップを語る高橋弘樹プロデューサーに、番組への熱い思いや制作の裏側を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「空から日本を見てみよう」は、ヘリコプターからの空撮映像を基に、「くもじい」(声・伊武雅刀さん)と「くもみ」(声・柳原可奈子さん)の掛け合いを通してさまざまな名所や隠れたスポットを紹介する番組。気になる場所には空からズームインし、地上に降りて、その背景などを紹介する。08年にテレビ東京の「日曜ビッグバラエティ」枠で特別番組として2回放送された後、09年10月からレギュラー化。11年9月に放送された2時間スペシャルで終了したが、2日からBSジャパンで続編「空から日本を見てみよう plus」がスタートした。毎週火曜日午後8時から放送中。

 前作「空から日本を見てみよう」では、ディレクターとして各地を飛び回っていたという高橋プロデューサー。番組について、「旅行番組ではなく地理の番組というのがベースにあって、空から見てわからないところや、地理的な特徴があるところをメーンに扱う」と話す。

 「1回の放送分を作るのに1カ月くらいかかる」という手間のかかる番組だ。担当エリアが決定したら、まずは「グーグルマップ」や「グーグルアース」で該当地区を見る作業を何日か続ける。そして、ありとあらゆる旅行本や、面白い建築物などを扱う本をくまなく読み、ネタを探す。「くもじい」と「くもみ」は、“とんがっている”家や変な建物が大好きということから、ディレクターが実際現地まで足を運び、自身の足で面白いものを探し回る。

 そうやってイメージを膨らませながらも、いざヘリコプターに乗り込み、空からの撮影に臨むと、「想像以上のことが現場で現れることが多い」と明かす。前作で瀬戸内海エリアを担当した際には、「撮る角度や高さをなんとなく考えていたけど、瀬戸大橋を見たときに、もっと高く撮りたいとか、島があるからそれも入れたいとか、いろいろ浮かんでくる」といい、空撮でしか得られない“いいもの”を作るためには、臨機応変に動いていくことが大切だと話す。

 一方で、ヘリの使用料は“1分=数千円”という決して安くない。「そことのプレッシャーとの戦いがありつつ……」と話しつつも、「ディレクター時代、僕は赤字王でした」といたずらっぽい笑みで告白する。

 今回の「Plus」はBSジャパンでの放送で、「全国に放送できることから、『空から“関東”を見てみよう』ではなく本当に『空から“日本”を見てみよう』にしようと。都会と地方って雰囲気が違いますから、前回とガラッと変わると思う」とにっこり。ネタ選びでは、「男の子がわくわくするような気持ち」を忘れたくないという高橋プロデューサーだが、「前回の反省として“男の子魂”過ぎたので、BSということで、ご年配の男性、女性が楽しめるようなネタを混ぜて、ゆっくり見られるようにしたい。空撮も前回よりもゆっくり見せたい」と前作とのちがいを明かす。

 「ディレクターが面白がっているものをなるべく生かしたい。それが今まで見たことがないものを生むと思う」と話す高橋プロデューサー。最後に、「子供のころ、『ドラえもん』を見て、タケコプターで空を飛べたらいいなと思っていた。(番組制作する上で)空を飛んでみたい、雲に乗ってみたいという気持ちを忘れないようにしたい」と力を込めた。

 9日放送の「神戸市前編」は、兵庫県神戸市の東側、東灘区から中心地・三宮近辺を探検する。六甲山や摩耶山、傾きすぎている不思議な建物や、白い動物の群れ、港で手を振る不思議な制服姿の女性を発見しながら、神戸の海と山をかけめぐる。9日午後8時からBSジャパンで放送。

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