注目映画紹介:「グッモーエビアン!」 パンクな両親を持つ中3の娘を中心にした一家の物語 

(C)2012「グッモーエビアン!」製作委員会
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(C)2012「グッモーエビアン!」製作委員会

 麻生久美子さんと大泉洋さんが初共演でダブル主演した「グッモーエビアン!」(山本透監督)が15日に公開された。妊娠4カ月のときに撮影していたという麻生さんは、元パンクロッカーで母親として反抗期の娘と対峙(たいじ)する。吉川トリコさんの同名小説が原作だ。

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 アキ(麻生さん)と中学3年生のハツキ(三吉彩花さん)は名古屋で親子2人暮らし。アキは元パンクバンドのギタリストで、17歳でハツキを産んだ。ちょっとルーズな母親だが、娘のハツキは家事も手伝うしっかり者に育ち、好対照なのに親子は仲がいい。ある日、1年前に「世界ツアーに出る」といって音信不通となっていたヤグ(大泉さん)から、1枚のハガキが届いた。それから半年後の秋、ハツキは商店街でヤグが倒れているところに出くわし、3人暮らしが復活したが……という展開。

 血のつながりはないが、絆はある。そんな一家の物語だ。中学生のハツキの気持ちが繊細に描かれていて、そこに純粋さと透明感を感じる。いっぷう変わった母親と、本当の父親ではない男性との3人暮らし……。人気俳優のダブル主演だが、本当の主人公は娘ハツキかもしれない。「普通がいい」というその年代特有の志向でハツキは反発し、親に厳しい視線を向ける。さらに友人関係や進路への迷いも重なり……。ハツキを演じる三吉さんのまっすぐなまなざしが印象的だ。ハツキに本気で向き合う麻生さんと大泉さんの演技も温かみが感じられ、ジーンとさせられる。ラストのライブシーンでは、麻生さんがギターに初挑戦した。グレッチのギターを持ち帰って練習を重ねたのだというが、ロック魂がはじけるカッコいいシーンとなった。15日からテアトル新宿(東京都新宿区)、ヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区)ほか全国で順次公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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