本の王子様:ラノベ年間トップは「ソードアート・オンライン」 新人の奮闘に期待

まんが王の2012年ライトノベル年間トップに輝いた「ソードアート・オンライン」10巻(アスキー・メディアワークス)
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まんが王の2012年ライトノベル年間トップに輝いた「ソードアート・オンライン」10巻(アスキー・メディアワークス)

 マンガ、ライトノベルの専門店「まんが王八王子店」のバイイングマネジャー・日吉雄さんが、売れ筋商品を毎週報告する「本の王子様」。今回は特別編として、ライトノベルの年間ランキング(11年12月~12年11月)を基に、12年の状況を振り返ってもらいました。1位に輝いたのは7月に発売された「ソードアート・オンライン」10巻(アスキー・メディアワークス)でした。

ウナギノボリ

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 11年に引き続き12年もライトノベル市場は絶好調でした。中でもアニメもヒットした「ソードアート・オンライン」は予想以上の伸びを見せてくれました。特にアニメの放送がスタートしてからの伸びがすさまじく、全巻まとめ買いというお客さんもかなり多かったですね。そのこともあって1巻が17位にランクインしたのをはじめ、既刊はすべて50位以内に入っています。

 全体的な傾向としては、たくさんのヒロインが出てきて主人公がその間でゆれ動くタイプの作品から、強い主人公が大活躍するタイプの作品にお客さんの興味が移っているような印象を受けます。また、トップの「ソードアート・オンライン」をはじめ、「新約 とある魔術の禁書目録」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」など、アニメ化作品が強いのは12年も変わりませんでした。また、アスキー・メディアワークスの電撃文庫作品が、上位10位中七つを占め、不動の人気をみせつけました。

 絶好調のラノベ市場ですが、一方でちょっぴり気になるところもあります。それは新人の台頭がほとんど見られないこと。上位はほぼ人気シリーズで占められており、新作は「とある魔術の禁書目録」を手がけた鎌池和馬さんの「インテリビレッジの座敷童」の43位が最高と、マンガなど他のジャンルと比べてもランキングの固定化が顕著にみられます。もちろん人気シリーズには頑張っていただきたいのですが、新人さんの奮闘にも期待したいところです。

 ◇まんが王八王子店の年間ライトノベルランキング(11年12月~12年11月)

1位 ソードアート・オンライン(10)

2位 ソードアート・オンライン(9)

3位 新約 とある魔術の禁書目録(3)

4位 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(10)

5位 フルメタル・パニック! アナザー(2)

6位 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11)

7位 ソードアート・オンライン プログレッシブ(1)

8位 フルメタル・パニック! アナザー(3)

9位 恋物語

9位 魔法科高校の劣等生(5)

 ◇プロフィル

 ひよし・ゆう=マンガやライトノベルの豊富な品ぞろえで知られるマンガ専門書店「まんが王八王子店」のバイイングマネジャー。売れ筋を読み取り、お客のニーズを満たし続けるマンガ売りのプロ。

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