市原隼人:名作のドラマ化に重圧「現場でしゃべれない」 「カラマーゾフの兄弟」会見

「カラマーゾフの兄弟」の会見に出席した市原隼人さん
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「カラマーゾフの兄弟」の会見に出席した市原隼人さん

 俳優の市原隼人さんが4日、主演を務める連続ドラマ「カラマーゾフの兄弟」(フジテレビ系)の制作発表会見に出席した。ロシアの文豪、フョードル・ドストエフスキーの作品を、舞台を日本に置き換えてドラマ化する作品で、主人公の3兄弟の中で、クールでニヒルな若手弁護士の次男・黒澤勲(くろさわ・いさお)演じる市原さんは「現場では勲でありたいと思い、そうするとものすごく静かで周りがはっきり見える。怖いんですね。これが勲なんだと」と役に入り込んでいる様子で、「現場でしゃべれない。気持ちが入っているんで。人生で初めて、こんな緊張感のある現場を味わった」と真剣な面持ちで語った。

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 さらに、「役柄を漢字一字で表すと?」との質問には、「『偽』。自分の居場所がなく、どこか影のある役。本音をいってしまえば、自分は首をつって勲になれれば本望かな。そこまでやりがいのある役」と独特な言い回しで、自身の役を説明した。

 ドラマは、同局のドラマ枠「土ドラ」の第4弾。19世紀のロシア文学を代表する作家、ドストエフスキーの最高傑作として知られる同名の長編小説が原作で、日本を舞台に置き換えている。“父殺し”の容疑をかけられた3人の異母兄弟を中心に、不況、政治混迷、格差社会、教育問題、就職難、先の見えない若者たちといった現代が抱える陰を描く。

 3兄弟の次男を市原さんが、失業中でヒモのような生活をしているいいかげんで夢見がちな性格の長男・満役を斎藤工さん、医大4年生の三男・涼役を林遣都さん、また父親の黒澤文蔵を吉田鋼太郎さんが演じる。3部構成となっており、第1部では、事件の日に至るまでの兄弟一人一人の足跡をたどり、父への殺意の芽生えを幼少にまでさかのぼり浮かび上がらせる。第2部では、事件当日を描き、第3部では、取り調べから判決までの真相解明を描いていく心理ミステリーとなっている。

 会見には、主要キャストも登場。名作のドラマ化に市原さんは「当時のロシアのものを日本でやることを、どう皆様にお伝えできるかと思っていたのですが、欲や恋愛や狂気は国を問わず通じるものがある。衝撃的な問題作。見るといい意味でも悪い意味でも器用になれ、目の前が、人生が世界がより楽しくなる」と力を込めアピール。斎藤さんは「この(ドラマ化の)話を聞いたとき、ぞくぞくした。直感的にどこかしっくりくるものがあり、そこに携われることに、役者やっていてよかった」と語った。ドラマは12日から毎週土曜午後11時10分~同55分に放送。(毎日新聞デジタル)

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