西島秀俊:主演・綾瀬はるかを絶賛「一緒に演じて魅力的」

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 6日から放送を開始するNHK大河ドラマ「八重の桜」で、主人公の新島八重の兄・山本覚馬(かくま)を演じている西島秀俊さん。文武に秀でた八重の兄として、激動の時代を生きた覚馬に対する思いや、役へのこだわり、共演する八重役の綾瀬はるかさんの印象などについて、西島さんが語った。(毎日新聞デジタル)

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 ドラマは、福島県出身で戊辰(ぼしん)戦争の落日、会津の鶴ケ城に500人の女たちと立てこもり、銃を持って戦ったことから“幕末のジャンヌ・ダルク”と呼ばれ、後に同志社大学を創設した新島襄の妻となる新島八重(1845~1932)の生涯を描く。

 覚馬は、会津の「日新館」に学び、武士の表芸である弓馬刀槍の奥義を極め、洋式砲術の研究のため、22歳で江戸に出て兵学者・佐久間象山の塾で学んだのち、会津に蘭学所を開設。1862年に京都守護職に就任した藩主・松平容保に従って上洛し、開設した洋学所で会津藩士だけでなく諸藩士や新選組にも洋式砲術を教授した。長州と戦った「禁門の変」で負傷し、のちに失明。その後の鳥羽・伏見の戦いで薩摩軍に捕らえられ、幽閉された。

 西島さんは演じる覚馬について、逆境に追い詰められ、厳しい状況に立たされながらも「その中で自分を深めていって前に進んでいく力を持っている人物」と分析。その“エネルギー”は、同じ志を持った仲間たちとの死別が影響していたといい、「その人たちの思いを背負うことで、逆境を乗り越えていく人物になったと思う。そこが魅力的」と話した。自身と似ている部分を聞かれると、「僕は逆境にあんまり強くないので。撮影は大変できついけれど、(仕事は)充実しているといくらでも耐えられますけどね」と明かした。

 また、今回の大河ドラマで1年を通して同じ役に携わることを「面白い体験。楽しんでいる」と語り、「とりあえず(覚馬が)若いときは、時代劇史上最も速く走るをテーマに、思いっきり全力で走ってます。晩年のこともあって、若いときは走り回っているようにしたくて」と役への強いこだわりから、撮影中、自分に課題を課しているという。その結果、「所作の先生に『時代劇の走り方じゃない』って怒られてます(笑い)。(最近では)監督も暴走しちゃって、『ここも走りますか』って……」と笑顔で振り返った。

 今回、西島さんは八重の生き方に大きな影響を与えることになる文武に秀でた兄を演じるが、主人公・八重の人物像を「もっといい世の中にするために突き進んでいくエネルギーを持った女性」と分析。演じる綾瀬さんについては、「のびやかで、現場が明るくなる」と印象を語り、「八重がいろんな壁を破っていこうとする姿を綾瀬さんが演じると、自然で柔らかいけど強い八重像になっている。兄役として、一緒に演じていても魅力的」と演技を絶賛した。さらに、「『明日からまた頑張ろう』って思えるような作品が僕のやりたいドラマ。まさに綾瀬さんの演技が、そういう大きな力になるんじゃないかな」と付け加えた。

 大河ドラマのイメージは「王道のオーソドックスな時代劇」という西島さんだが、現場に入ってそのイメージは「崩れた」という。「今の大河ドラマというのは新しいことを始めていこうと、撮影方法も含めていろんな試行錯誤だったりとか、それぞれのパートが新しい挑戦をする場になっている」と明かし、「イメージは崩れたんですけど、セットの技術、美術がそれぞれハイレベルで、その中で撮影しているので演じていて楽しいですね」と充実の表情で語った。

 1年間、このドラマに携わっていくことについて、「ペースを考えずにファーストシーンから全力で全身力を込めて演じたい」と意気込みを語り、「登場人物たちが壁にぶつかっても壊していき、志同じくした者たちの思いを背負ったりしながら前に進んでいく、そういうメッセージを感じていただけたら」とアピールした。

 ドラマは、西島さん、綾瀬さんのほか、長谷川博己さん、玉山鉄二さん、綾野剛さん、オダギリジョーさん、吉川晃司さん、反町隆史さん、西田敏行さん、Dragon Ashの降谷建志さん、黒木メイサさん、剛力彩芽さん、貫地谷しほりさんらが出演。6日から総合テレビで毎週日曜午後8時放送。全50回を予定しており、初回は74分の拡大版。

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