クルム伊達公子選手:全豪オープン最年長で初戦勝利「いい状態をキープすることが何よりも大事」

「全豪オープン」の初戦を突破したクルム伊達公子選手 写真:AP/アフロ
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「全豪オープン」の初戦を突破したクルム伊達公子選手 写真:AP/アフロ

 豪州メルボルンで14日に開幕したテニスの4大大会(グランドスラム)今季第1戦「全豪オープン」。大会2日目の15日、女子シングルス1回戦で日本のクルム伊達公子選手は第12シードのナディア・ペトロワ選手(ロシア)を6−2、6−0で破り、68年オープン化以降の全豪女子のシングルスで最年長勝利を挙げた。この日、クルム伊達選手は、全豪では一度現役を引退する前の96年以来17年ぶりの初戦突破。クルム伊達選手はこの日で42歳109日となり、40歳138日で2回戦に進んだ85年のバージニア・ウェード選手(英国)を上回り、最年長記録となった。そんなクルム伊達選手に大会への意気込みなどを聞いた。WOWOWでは27日までの大会期間中、WOWOWライブで連日生中継する。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 −−メルボルンに入られて、ボールを打った感触などはどうですか?

 中国、シドニーと思っていた以上に試合数をこなせたということもあって、感触的には悪くはないですし、メルボルンに入ってからも、非常にいい練習はこなせてきているかなと思います。ただ風が強かったり、気温差が激しかったりしているので、そのあたりでまだストリング(ガット)の張りの強さの調整なども決めかねていたり、試合会場でまだ練習できていなかったりなど、もう少しやっておきたいことがあるかなという状況です。

 −−昨シーズンはドバイの大会で優勝されて、この全豪への本戦ストレートインが決まりました。やはりグランドスラムの本戦からスタートできるということはどんな意味がありますか。

 これまでは当然、本戦の場に立ちたいという前提の上で、今の自分の年齢を考えると試合数をできるだけ少なくして、照準を絞って自分のパフォーマンスを発揮できるように、本戦からストレートインできることがいいと思っていました。ですがやはり年齢が年齢とはいえ、試合をこなしながら自分の調子を上げる方が、身体的にはつらいのですが、テニスはすごくよくなるということも同時にあるので、そういう意味では予選の中でもまれながら、調子が上がっている中で1回戦を迎える方が自分のテニスには向いているのかなとも思っていました。

 −−昨シーズンはけがにも多く悩まされました。コンディションを保つという意味では今シーズン、何か心がけることはありますか?

 ツアーの中にいると、いつもどうしても小さい違和感はあるので、そういうことを抱えながらも負担がそれ以上大きくなる前に、ブレークをとる勇気を持たなければいけないなと毎年学んではいます。でもなかなかそのタイミングが難しいですね。早め早めにそのブレークをとる決断をして、いい状態をキープすることが何よりも大事かなと思っています。

 −−今シーズンに入ってプレースタイルの変更など戦い方に変化はありますか。

 永遠のテーマですけど、サーブが一つの課題ということは消えることはないです。あとは自分のプレーの精度を上げるためにも、凡ミスの数を減らすということもしていきたいです。相手がトップ選手になると、どんなに自分が主導権を握っていてもしつこく粘られて、結局最後には自分がミスしてしまうことが多くなってしまうので、自分のミスを減らしつつフィニッシュできるかということが自分のテニスには大きなポイントになるかなと思います。

 −−今シーズンの目標は?

 今のランキング(100位)のままでは予選からの戦いというのも増えると思っていますし、ポイントにこだわらずに、試合数をこなしていくことで、必然的にいいプレーができればいずれ勝ち星にもつながってくることもあると信じて、あまり数字にはとらわれずに戦っていきたいと思っています。あとは、昨年やりたくてもやれなかったことですが、うまくITFの試合も組み合わせながら戦えればベストかなと思っていますので、そのあたりのスケジューリングも調整しながらやっていければという感じですね。

 −−変化という意味ではネットに出ていくプレーも増えてきますか。

 ただ単純にネットに出ればいいというだけでは難しいと思うので、出方も考えなければいけないですし、すべてにおいて変化が必要だと思っています。ミスをしようが、常に自分が何かやってくるのではないかと相手に考えさせないと相手に気持ちよくプレーさせてしまうので、ショットもそうですが動きも常に変化を加えたプレーをしたいです。

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