本木雅弘:オスカー11部門ノミネーション監督から大絶賛「12個目は彼に」

1 / 28

 アジア人初のアカデミー監督のアン・リー監督が来日し、16日、東京都内で行われた映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」のジャパンプレミアに登場し、俳優の本木雅弘さんとともに映画にちなんで海の上に用意されたオーシャンカーペットを歩いた。同作品で、主人公の少年パイ役で、実写映画の日本語吹き替えに初挑戦した本木さんについて、リー監督は「日本で名声を得ている本木さんに、パイの声を演じてもらってうれしい」といい、同映画が2月25日に発表される「第85回アカデミー賞」で作品賞・監督賞など全11部門にノミネートされていることを紹介されると、「12個目のノミネートは、彼に与えられるべきだ」とその吹き替えを絶賛した。

ウナギノボリ

 映画「ライフ・オブ・パイ」は、英の文学賞「ブッカー賞」を受賞した小説「パイの物語」が原作。16歳の少年パイと家族、多くの動物たちを乗せた貨物船が嵐で沈没し、パイは救命ボートに乗るが、ベンガルトラも身を潜めており、太平洋で少年とトラの227日の漂流生活を送るという物語。リー監督は「私が挑戦した作品の中でも一番難しかった。映画化できないといわれた原作を、3000人のスタッフが24カ国から集まって、4年間かけて作りました」とその苦労を明かし、「映画ができただけでも充実感、充足感にあふれている。賞はボーナスみたいなものだが、認められたことはスタッフにとってもうれしいこと。ノミネートだけでも心が温かくなる」と喜んだ。

 本木さんについては「『おくりびと』はもちろん、『シコふんじゃった。』からのファンなんです。今並んで立っているのは本当にうれしい」と笑顔で語った。一方、本木さんは「4年も年月をかけて作った映画の最後に参加して、この場にいる。恥ずかしいやらうれしいやら、複雑な気持ち。この映画の応援隊長としてイベントに臨むつもりです」と恐縮しながら決意し、映画については「吹き替えするために、何度もこの映画を味わって、主人公と心の漂流をしました。何度かみしめてもじわりじわりと効いてくる。老若男女問わず、各世代の価値観に届くと思う」と熱烈にアピールしていた。

 イベントには、本木さんとリー監督のほか、人気子役のしずくちゃんも映画にちなんだ可愛い子トラの姿で登場した。映画は25日、TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほかで、全国公開。3D/2D同時上映。(毎日新聞デジタル)

写真を見る全 28 枚

映画 最新記事