注目映画紹介:「ムーンライズ・キングダム」 駆け落ちした12歳のカップルを連れ戻そうと大騒動

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 「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(01年)や「ダージリン急行」(07年)、「ファンタスティックMr.FOX」(09年)など、極めてユニークな作品を作り続けるウェス・アンダーソン監督が共同で脚本も手がけた「ムーンライズ・キングダム」が8日、公開された。舞台は、1965年の米ニューイングランド沖に浮かぶ小島。12歳のスージーと同じく12歳でボーイスカウトのキャンプ中のサムが恋に落ち、駆け落ち。2人が目指すのは秘密の場所“ムーンライズ・キングダム”だ。そんな2人と、彼らを連れ戻そうと躍起になる大人たちの大騒動が展開する。

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 エドワード・ノートンさんが演じる、徹底的に頼りないボーイスカウトのウォード隊長、ブルース・ウィリスさん演じる、少ない髪が乱れに乱れ、それが一層情けなさをかもし出すシャープ警部、フランシス・マクドーマンドさん演じる、主婦業に疲れ切ったスージーの母、そして、ビル・マーレイさん演じるたるみきった肉体のせいで威厳がいま一つ足りないスージーの父親。さらに、彼らが逃避行を阻止しようとする、ませた2人の子供、アイシャドーをべったり塗ったスージー(カーラ・ヘイワードさん)は不気味だし、サム(ジャレッド・ギルマンさん)はどこか鈍くさそうだし。そんな彼らがそれぞれに放出する妙な空気が、妙な笑いを引き起こす。

 子供の駆け落ちといえば、思い出されるのは映画「小さな恋のメロディ」(71年)。あちらは愛らしくも切ないロマンスだった。一方、今作はそれとは似て非なるものだ。しかし、だからこそ、そのユニークさがクセになる。8日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほか全国で順次公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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