大友康平:仙台発の震災ドラマに主演「地元に恩返しできれば」

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 ロックバンド「HOUND DOG」の大友康平さんが11日、東京都内で行われたNHK仙台放送局制作の主演ドラマ「かつお」の会見に登場。被災地の現状をドキュメンタリーで伝えてきた同局が、初めて被災地を描くドラマで、大友さんら東北出身の俳優陣が集結する。元漁師役を演じた宮城県生まれの大友さんは「地元の仙台制作ということで大変意義があると思った。自分自身、仙台で熱くバンド活動をしながら、デビューまでこぎ着けて、その後全国へ旅立ったわけで、地元に対する恩返しができればと思った」と出演理由を説明した。「復興はまだまだ進みません」と話した上、「震災が風化してほしくないし、地元の人には、一歩ずつかみしめながらまた明日に向かっているんだという気持ちになってもらえれば」と力を込めた。

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 ドラマは、NHK仙台放送局が初めて被災地の人たちのドラマを制作したもので、おっちょこちょいだが、人情味あふれる元漁師の「かつお」こと山村武雄(大友さん)を中心に、浜で生きる家族の絆を描く物語。かつおの妻役を鈴木京香さん、かつお一家の前に現れた美女役を芦名星さん、浜の長老役を梅沢富美男さん、警官役をお笑いコンビ「サンドウィッチマン」が担当するなど、東北出身の俳優陣が多数出演。撮影は、石巻市、仙台市、七ケ浜町といった宮城県内でオールロケが行われた。

 会見には、芦名さん、梅沢さんも登場。震災後、自身のHホームページ(HP)に被災地から助けを求める書き込みがあり、現地に足を運んだエピソードを明かした福島県出身の梅沢さんは「生意気を言わせてください。本局が作るのだったら、出るのをやめようと思った。ドラマになっちゃうから」と率直な思いを告白。仙台放送局の制作だからこそ出演したといい、「自分たちが経験したことだからリアルに作れると思った。地元の人たちがどんなに苦しんで、どんなにつらい思いをしているかを見ているので、きっといいドラマになると思った」と明かした。

 撮影で印象に残っている出来事について、福島県出身の芦名さんは「震災後初めて石巻に足を踏み入れたという石巻出身の女性がいらしたんです」とエピソードを紹介。「(女性から)今日ここに立っていることも怖かったんだけど、一生懸命撮っている姿を見て、あなたから勇気をもらいましたとお話いただき、とても心を打たれました。すばらしい出会いで、ドラマに対して思いを乗せて取り組まないといけないなと思った」としみじみと話した。ドラマは、NHK総合で18日午後7時半から放送。(毎日新聞デジタル)

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