山田洋次監督の82本目となる最新作「小さいおうち」が公開中だ。女中の目から語られる、ある一家との思い出と秘密が、昭和モダンと戦争の足音を背景に、現代につなげながら描き込まれている。中島京子さんの直木賞受賞作でベストセラー小説が原作。山田監督が熱望して企画されたという。松たか子さん、片岡孝太郎さん、黒木華さん、吉岡秀隆さん、妻夫木聡さん、倍賞千恵子さんらそうそうたる面々が出演している。
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健史(妻夫木さん)の大おばのタキ(倍賞さん)が亡くなり、タキが大学ノートに書いた自叙伝が残されていた。健史は1人暮らしのタキをたずねてノートを読むのを楽しみにしていた。昭和初期、タキは若いころ、山形から女中奉公をしに上京した。小説家の屋敷に1年間仕えた後、平井家に奉公することになった。赤い三角屋根のモダンな家には、玩具会社に勤めるだんな様の雅樹(孝太郎さん)と奥様の時子(松さん)、ぼっちゃんの恭一が暮らしていた。タキは、若くておしゃれな時子に憧れの気持ちを抱く。雅樹の会社の社員たちが平井家に集まったある日。一風変わった男・デザイン部の板倉(吉岡さん)は、恭一がいる子ども部屋で居眠りをしてしまう。目覚めた板倉は、時子と映画や音楽の話で意気投合し、その日から平井家にちょくちょくやって来るようになって……という展開。
屋敷に仕えた女中タキの目から“恋愛事件”が語られ、謎解きのような語り口で引き込まれる。平井家のモダンな室内、品のいい小道具をそろえた美術セットの中、俳優たちの演技は、せりふ回しや立ち居振る舞いまで昭和の香りが立ちのぼり、まさに当時を生きているかのようだ。だからこそ、戦争の影が徐々に日常に浸透していく様子が、庶民感覚で手に取るように分かる。戦争も時子の恋愛も、すべてが「いつのまにか」だった。坂道を転がるボールのように、転がり出したら止まらないのだろうか。そんな思いで見ていると、タキはただの傍観者ではなく、とても大きな役割を担っていることを感じ、原作とはまた違った味わいの結末を迎える。松さんと黒木さんのタイプの異なる色気も見どころ。25日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。
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