菅野祐悟:「重厚でみんなに愛される曲を」 大河ドラマ「軍師官兵衛」で劇中音楽担当

NHK提供
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 人気グループ「V6」の岡田准一さんが豊臣秀吉の軍師として知られる黒田官兵衛役で主演を務めるNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」で、メインテーマ曲や劇中音楽を手掛けているのが作曲家の菅野祐悟さん(36)だ。2004年にフジテレビ系月9ドラマ「ラストクリスマス」でドラマの劇中音楽のデビューを果たして以来、人気ドラマや映画の楽曲を手掛けている“売れっ子”作曲家の菅野さんに「黒田官兵衛」の音楽に込めた思いを聞いた。

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 黒田官兵衛は、戦国時代末期に“天才軍師”と称され、信長、秀吉、家康の三英傑に重用され、九州・福岡藩52万石の礎を築いた人物。官兵衛が30歳のとき、39歳の秀吉と出会って意気投合し、義兄弟の契りを交わす。本能寺の変で信長亡き後は、官兵衛が秀吉を支え、天下取りを目指した。

 ◇大河ドラマに憧れ

 幼少の頃から映画やドラマの音楽を作ることに興味があったという菅野さんは、大河ドラマも「武田信玄」(1988年)や「花の乱」(94年)などを家族と一緒に見ていたといい、「いつかこんな(ドラマの音楽を作る)仕事できたらいいなと思いながら曲を聴いていた」と振り返る。そして「憧れすぎて、現実に自分が(大河ドラマの曲を)やらせていただくなんて夢にも思わなかった」と今でも驚きを隠せない様子だ。

 ◇作曲は「フルオーダーメード」

 映画「SP 野望編」(10年)や「SP 革命編」(11年)、「麒麟の翼 劇場版・新参者~」(12年)、ドラマ「ガリレオ」(フジテレビ系)、「開拓者たち」(NHK)など数多くの映画やドラマの音楽を手掛ける菅野さんは、作曲を「一人の人がいてフルオーダーメードで服を作ってあげる感じ」と表現する。「僕のカラーではなくて、その人がどんな人で、どこに出かける服なのかを考えて、最高に似合う服を作る。今回は官兵衛に似合う曲を作った。すべての作品でそういう気持ちで作っている。主題は自分ではなく、作品(ドラマ)にあるんです」と力を込める。

 ◇インテリジェンスを表現

 今回、「菅野さんらしく『軍師官兵衛』を表現してください」と制作サイドからオファーを受けたという。オープニングテーマを作るにあたり主演の岡田さんの「インテリジェンスもしくはアートなイメージ」を反映させながら、「戦国時代の作品ではありますが、人を斬るような戦を表現するのではなく、官兵衛自身の愛とかインテリジェンス、“大河ドラマらしさ”を裏切らないように重厚で皆さんに愛されるような曲を作ろうと思いました」と明かす。

 今回、トータルで110~120曲を提供する予定という菅野さんは「時代らしさのさらに一歩先をいった、自分が作る音楽=時代を引っ張る2014年の音楽となっていくことを最終的に目標としています」と掲げ、「皆さんの期待にどう応え、どう裏切るか。時代劇っぽくない音楽を作って裏切るのではなく『20年前の大河ドラマとは違うよね』という意味で裏切りたい。映像も照明も進化している。音楽も進化していくべきだと思う。大河ドラマのパッケージの中で2014年を反映させた重厚かつ斬新な音楽を届けられたら」と前向きに語った。大河ドラマ「軍師官兵衛」は、毎週日曜午後8時(NHK総合)ほかで放送中。

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