注目映画紹介:「ゲキ×シネ ZIPANG PUNK 五右衛門ロック3」 新太、春馬らが大暴れ

(C)2014 ヴィレッヂ・劇団☆新感線
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(C)2014 ヴィレッヂ・劇団☆新感線

 「劇団☆新感線」の人気舞台を映画館で上映する「ゲキ×シネ」の最新作「ゲキ×シネ ZIPANG PUNK 五右衛門ロック3」が公開中だ。今作は「ゲキ×シネ」10周年記念作品の第2弾で、俳優の古田新太さんが大泥棒の石川五右衛門を演じる人気シリーズ「五右衛門ロック」の第3作。空海が残したという秘宝を巡り、豊臣秀吉をはじめ多くの人物を巻き込んだ騒動を、歌とダンスを交えユーモアたっぷりに描く。同劇団のいのうえひでのりさんが演出を手がけ、多くのロックミュージシャンなどに歌詞を提供する作詞家の森雪之丞さんが作詞を担当。高橋由美子さんや村井國夫さんら実力派ゲストに加え、初参加の三浦春馬さんと蒼井優さんの演技にも注目が集まる。

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 世紀の大泥棒・石川五右衛門(古田さん)は、女盗賊・猫の目お銀(蒼井さん)と空海ゆかりの“黄金目玉像”を盗み出すが、お上直属の若き探偵・明智心九郎(三浦さん)に追い詰められる。像には空海が隠した黄金の所在を示す暗号が隠されているという。大事な仏像を盗まれた春来尼(高橋さん)、埋蔵金伝説を聞きつけた豊臣秀吉(麿赤兒さん)と腹心の石田三成(粟根まことさん)、前田慶次郎(橋本じゅんさん)、五右衛門の宿敵マローネ・アバンギャルド侯爵夫人(高田聖子さん)、腹黒い堺の豪商・蜂ケ屋善兵衛(村井さん)らくせ者たちがそれぞれの思惑を胸に争奪戦を繰り広げる……という展開。

 劇団☆新感線の作品の中でも本今作は音楽を中心に据えたもので、舞台のバンドの生演奏に対し、映画では徹底的に音にこだわりハリウッドにあるワーナー・ブラザースのスタジオで音響編集を行った。それだけに壮大なスケール感は舞台版とは一味違う仕上がりで、音響施設が充実した劇場で見たいところだ。劇団員たちによるアクションや歌、ダンスに笑いなどが入り交じった展開は“これぞエンターテインメント”といえる仕上がりで、奇抜な衣装をまとった三浦さんと蒼井さんも圧巻のパフォーマンスで楽しませてくれる。特にコミカルからシリアスまで振り幅広く演じる三浦さんの演技と、パワフルな歌唱には驚かされる。主演の古田さんの安定感とはじけっぷりも見事で、どこまでも期待を裏切らない。本編は183分と3時間以上だがあっという間に感じるはずだ。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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