ちいかわ
第299話 拾魔(9)
12月5日(金)放送分
マーベルコミックスのヒーローたちが集結し話題を集めた映画「アベンジャーズ」(2012年)から生まれたプロジェクト最新作「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」が公開中だ。「アベンジャーズ」から2年後を舞台に、キャプテン・アメリカやブラック・ウィドウ、ニック・フューリーが、共に戦ってきた国際平和維持組織「シールド」から突然命を狙われ、自分たち以外は誰も信用できないという状況下での死闘を描く。日本語吹き替え版では前作に続き俳優の竹中直人さんがニック・フューリー役、女優の米倉涼子さんがブラック・ウィドウ役を演じるほか、新ヒーロー・ファルコン役で溝端淳平さんが加わった。声優を続投する竹中さんと初参加となる溝端さんに話を聞いた。
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今作には多くのヒーローたちが登場するが、その中でもアメコミのマーベル作品がすごく好きという溝端さんは「キャプテン・アメリカが今回のお話をいただく前から『アベンジャーズ』を見ていて一番好き」と断言し、「ソーとかアイアンマンのように派手ではないけれど、それでも応援したくなる。キャプテンはマーベルのヒーローの中でも、一番人間に近く、盾を持ってずっと走っているのですが、そんな姿を見ると『頑張れ、キャプテン!』と思うし、アメリカの最初のヒーローであるキャプテンには、一番王道なヒーローとして頑張ってほしい」と興奮気味に語る。そして、「キャプテン・アメリカのコスプレはアメリカから取り寄せて買いました。(神田明神で行われたイベントなどで使われた)いいシールド(盾)があったのでなんとしても手に入れたいと思います」と笑顔を見せる。
一方、前作から引き続いてニック・フューリーの声を担当する竹中さんは「『アベンジャーズ』に出ている俳優さんはみんな好き」という。特に「(ブラック・ウィドウ役の)スカーレット・ヨハンソンはすごく好き」といい、「最初に彼女を知ったのが『ゴーストワールド』(01年)で、そのときにすごく印象に残っていた。それから彼女の芝居が好きになってよく見ていました」と語り、「ブラック・ウィドウのフィギュアも持っています」と照れくさそうに話す。続けて「もちろんサミュエル・L・ジャクソンのフィギュアも持っていますし、『セルラー』(04年)という映画で知ったクリス・エバンスもすごく好き。ロバート・ダウニー・Jrやジェレミー・レナーも好きだし、僕はやっぱり俳優さんが好き。好きな俳優さんが勢ぞろいしているので、なおさら参加できてうれしいです」と続投の喜びを表現する。
竹中さんと溝端さんはこれまでもドラマをはじめ多くの作品で共演しているが、お互いの“声”について「淳平のたたずまいと声を分離して考えたことがないので、淳平がやったファルコンを見てみたかったし、すごく合っている気がします」という竹中さんに対し、「竹中さんの声は特徴があるのにいろんな声がある人というイメージです」と溝端さん。互いの声の印象をさらに聞くと、溝端さんは「みなさんご存じでしょうけど、(竹中さんは)いろんな声を持ってます」と切り出し、「それを結構、何気なく出すんですね。現場を盛り上げてくれるときや歌を歌うときとか、ナチュラルにいろんな声を持っている人なんだな、と。口笛もすごくうまいですし、僕は竹中さんを常に“人間ジュークボックス”だと思っています。いろんな音を奏でて、いろんな音楽も歌ってくださったりするので、竹中さんはそういうイメージです」という。
竹中さんは溝端さんの声を「まだ声に色が付いていない感じというか、だから顔が浮かんでこない」と評し、自分の声を「僕だとどうしても顔が浮かんできてしまう」と笑う。そして「サミュエル・L・ジャクソンは(自分と)似たような顔つきだから逆に自分で見ていて、よく『これ俺か?』と思っちゃう瞬間があったりもします」と再び笑い、「とにかくファルコンの声が楽しみ」と溝端さんの声に期待を寄せる。
声優続投にあたっての心境を「基本的には同じ人物を演じるので、前回と何かを変えて臨むということはありませんでしたが、2回目ということもあり、もっと近くなれたような気がします」と明かす竹中さんは、「どんなことも回を重ねるということはそういうことだと思います」と話す。シリーズ初登場で、アフレコ自体も2回目という溝端さんは「難しかったですね。ちょっとした息づかいや細かい芝居だったりとか、僕は台本を見ながら映像を見たりと、どっちに集中していいか分からなくなるということが、まずありました」と収録時の苦労を明かす。続けて「映像ばかり集中するとただ音を入れているだけで気持ちが乗ってこないし、台本だけでやっているとリップと合わなかったりする」と悩んだ溝端さんは、「最終的には音だけ聴いて映像を想像で頭に入れておいて画面はほとんど見ずやりました。素人なので画面を見ながらやるとまだうまくいかないんですよね。音を聴いてイメージができているというか、映像が頭の中で広がっていれば言いやすい」と自身による最善の方法を見つけ出したエピソードを披露した。
竹中さんは今作を「全体が素晴らしい映画」と感じ、「周りが全員敵という環境の中で仲間が集結していくその信頼関係がいいですよね。一人一人のキャラクターが粒だっていて、みんな素晴らしい。ファルコンがいいポジションにいるんですよ。愛するキャラクターがまた増えたという感じで楽しみです」と溝端さん演じるファルコンの役回りをプッシュする。溝端さんは「キャプテン・アメリカ自身の成長とともに、彼の影みたいなところが濃く描かれているところや、ここでは言えないんですけど(笑い)、実はニック・フューリーがこうなってくるんだという、『ニック・フューリー!』と言いたくなるような見せ場がある。もちろんブラック・ウィドウもそうですけど、それぞれの見どころ、見せ場がちゃんとある作品なので、どの角度から見ても楽しめると思います」と自信を見せた。映画は全国で公開中。
<竹中直人さんプロフィル>
1956年3月20日生まれ、神奈川県出身。多摩美術大学卒業後、劇団「青年座」に入団。1983年に「ザ・テレビ演芸」でグランドチャンピオンとなる。テレビ、映画、舞台などで幅広く活躍。91年には初監督作「無能の人」でベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞、日本アカデミー賞など数多くの賞を受賞し、その後も全7作品を監督する。「Shall we ダンス?」(96年)、「三文役者」(00年)、「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」(10年)、「くちづけ」(12年)など、出演作多数。
<溝端淳平さんプロフィル>
1989年6月14日生まれ、和歌山県出身。2006年に「JUNONスーパーボーイコンテスト」でグランプリを受賞し、ジュノンボーイ史上最多となる40社の芸能事務所からのオファーを受けて芸能界入り。07年にドラマ「生徒諸君!」で俳優デビュー。08年には「ハチワンダイバー」でドラマ初主演を務め、「ダイブ!!」(08年)の主演で映画デビューを果たす。以降、ドラマや映画に多数出演するほか、08年から「誰だって波瀾爆笑」で司会を務めなど各方面で活躍中。
(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)
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2025年12月06日 04:00時点
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