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大寒波襲来…雪国で聞いた個人的ニュース
2月9日(月)放送分
女優の吉高由里子さんが主演するNHKの連続テレビ小説「花子とアン」の週間平均視聴率が21%超えが続くなど好調だ。テレビ文化を題材にした文化論が専門の早稲田大学演劇博物館館長の岡室美奈子教授は、人気の理由を「貧しさを乗り越えていくというようなリアリズム路線のドラマではなく、マンガ的な世界、『赤毛のアン』のような世界が展開されている。貧しさはあっても軽やかに生きているヒロインが魅力的」と語り、少女時代から「赤毛のアン」に親しんできた女性層を中心に支持を集めているという。「花子とアン」の好調の理由に迫った。
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ドラマは、「赤毛のアン」などを翻訳した主人公・村岡花子(安東はな)の明治・大正・昭和にわたる波瀾(はらん)万丈の半生を、「Doctor−X」(テレビ朝日系)などを手がけた中園ミホさんの脚本で描く。原案は、花子さんの孫・村岡恵理さんの著書「アンのゆりかご」。はなは、山梨の貧しい家に生まれ、東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活をへて翻訳家の道へと進んだ人物で、吉高さんが10~50代の花子を演じる。
◇少女マンガ的な世界観とヒロインがマッチ
17日まで放送していたドラマの第2~7週は、東京の女学校に編入したはなの夢のような学校生活が描かれた。大きなリボンやあざやかな着物、袴を身にまとった令嬢たちの「ごきげんよう」といった“お嬢様言葉”が飛び交う寄宿舎での生活や帝大生との恋など、まさに少女小説や少女マンガのような世界が繰り広げられていた。そんなマンガのような世界が描かれながらも視聴者を白けさせないのは「吉高さんの持ち味に負うところが大きい」と岡室教授は語る。「『おしん』のように田舎から出てきた女の子が(令嬢との)環境の違いに負けないでガチ(本気)で頑張るという汗と涙のドラマではないのが面白い。(実家が貧しいという)厳しい状況もあるが、軽やかに生きているヒロインの姿が共感を呼んでいるのでは」と分析する。吉高さん演じる軽やかなヒロインとドラマの世界観がマッチしたことが人気の一因といえそうだ。
はなと仲間由紀恵さんが演じる葉山蓮子の友情を描いた第6週「腹心の友」(5~10日放送)の週間平均視聴率は23.1%を記録。蓮子のモデルとなった大正から昭和にかけて活躍した歌人の柳原白蓮は、年下の青年と駆け落ちして当時のメディアを騒がせた「白蓮事件」(1921年)の当事者で、岡室教授も「白蓮が今後どう描かれるのか」と関心を寄せ、「白蓮もすごい人生を生きた。はなが自分の重たい出自を背負うと朝ドラではなく昼ドラになるので、やっぱりはなの軽やかさが魅力」と重ねて強調する。
一方、劇中にちりばめられた「赤毛のアン」の小ネタが、ツイッターを中心にネットで盛り上がっている。物語ははなとアンの人生が重なり合いながら進むが、自分をからかった男の子を石板でたたいて割ってしまう“石板事件”や親友にぶどう酒を飲ませて酔わせてしまうなど「赤毛のアン」に登場する有名なエピソードが挿入されている。また、はなが通っていた小学校の名前やはなが女学校時代に訪問した孤児院にいた少女の名前など「赤毛のアン」を引用した小ネタが劇中のそこかしこに織り込まれており、ファンを喜ばせているようだ。
村岡花子さんが翻訳を手がけた「赤毛のアン」は1952年に出版されるやいなやベストセラーになり、今なお読み継がれている。「村岡花子の世界」(河出書房新社)の編者で弥生美術館(東京都文京区)学芸員の内田静枝さんは「赤毛のアン」の当時ヒットした理由を「戦後、男女同権が叫ばれ世の中が落ち着き始めて、“快活なおてんば少女”が理想の一つになってくる。戦前の“おとなしい少女”から理想の女の子像が変わりつつあるところに登場したのがアンだった」と解説する。
“新しい少女像”を背負った「赤毛のアン」は日本で広く受け入れられ、テレビアニメ化やミュージカル化もされた。さらに物語の舞台となったカナダのプリンス・エドワード島の自然やライフスタイルも多くのメディアで紹介されるなど、日本におけるアン人気は高い。「花子とアン」は「赤毛のアン」とともに育ってきた日本の女性の心もつかんだといえる。
ドラマは今後、東京に戻ったはなと、のちにはなの夫となる村岡英治との恋模様や、はなが出版社で編集と翻訳の仕事に携わっていく様子が描かれる。岡室教授は「働く女性をうまく描く中園さんが、翻訳者としてのはなをどう描くか。これからの展開は中園さんの本領発揮なのでは」と期待を寄せる。はなの今後は? 白蓮との関係は?……あれこれと“想像の翼”が広がる「花子とアン」の今後の展開から目が離せない。
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