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親が先生芸人
10月31日(木)放送分
NHKの連続テレビ小説「花子とアン」の音楽を手がける作曲家の梶浦由記さんが、同作の人気を後押しする音楽のこだわりや苦労を明かした。梶浦さんは、今回のオファーに「大役が務まるのかと悩んだんですが、村岡花子さんの落ち着いた大人の女性の音楽が書けるのではないかと思った」といい、ドラマ前半について「台本上の印象と違って、映像になったらもっと明るい印象になった。これが音楽の力。ある程度思った通りにできた安堵(あんど)感があります」と自信をのぞかせている。
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「魔法少女まどか☆マギカ」「機動戦士ガンダムSEED」など、人気アニメの音楽、数々の映画音楽など、幅広く手がけてきた梶浦さん。今作のために「放送前に60曲、今(放送から1カ月弱後)は90曲超えました」と明かす。幼少時代の花子の台本を元に初めてに書いた2曲は「すごく暗くなってしまって花子がかわいそうになって、切なくなった。『これは違う』と没にしました」と苦笑する。「花子の人生は波瀾(はらん)万丈ですが、彼女はそれを前向きに打破する。そんな前向きな力をテーマにした。『前に向かう力』をベースにしている」と音楽のテーマについて語った。
これまで手掛けたドラマや映画などとは異なり、「ちょっとテンポ感が速い」という。朝ドラならではの特性は「いい意味で芝居がかっている、劇画チックなこと」だといい、それが音楽にも大きく影響した。「普通だと、曲の盛り上がる部分が全体の3分の1なのに、今回はどの曲も何度か盛り上げが必要。ひょうきんな曲でも、悲しい曲でも、喜怒哀楽のスパンが短いので、山場がいっぱい必要です」と説明する。
アニメと実写の音楽の違いについては、「アニメの音楽を作るときは、必ず背景画などをもらって、大きな空間のシーンには大きな音を流して、音楽で想像力を補った方がよく収まる場合が多い」といい、「一概にはいえないですが、アニメは根本的なところで、『現実ではない』と認識していなきゃいけない」と話す。一方で、実写は「例えば原っぱなら、その広さを頭が知っていて、想像してくれるので、そこで思いっきり狭い音を流しても大丈夫。そういう意味で、実写は空間と音楽が合わなくてもいい場合がある。それが面白いところ」だという。
「花子とアン」では、「花子ちゃんが想像力で映像を上書きしていると思う。彼女の目というフィルターを通して、世界がキラキラしている」と分析する。梶浦さんは「彼女の想像力を映像に付け加える音楽を作った」といい、「キラキラした雰囲気はハープの音で表現した。『パルピテーション』を表現する曲はすごく照れくさい感じに挑戦しました。女学校の音楽は、アニメっぽい、めちゃくちゃわざとらしい曲にして、すごく楽しかった」と振り返った。現在、放送している東京の出版社で働くシーンについては“大人になった花子”を意識しているといい、「故郷のシーンで多用したアコーディオンから、ピアノになっている。少しずつサウンド面でも大人になっていくので期待してください」と熱を込めて語った。
<プロフィル>
作曲家、作詞家、音楽プロデューサー。「魔法少女まどか☆マギカ」「機動戦士ガンダムSEED」など人気アニメをはじめ、テレビ、CM、映画、ゲームなどさまざまな分野で楽曲提供、サウンドプロデュースを手掛ける。ソロプロジェクト「FictionJunction」としても活動中。「花子とアン」の音楽を集めたアルバム「連続テレビ小説 花子とアン オリジナル・サウンドトラック」(ソニー・ミュージック)は全33曲入り、2913円(税抜き)で販売中。
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2024年11月03日 01:00時点
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