テレビ試写室:「おやじの背中」第1話 田村正和&松たか子演じる理想の父娘に感涙

「おやじの背中」第1話の場面写真=TBS提供
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「おやじの背中」第1話の場面写真=TBS提供

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、13日から放送されるオムニバスドラマ「おやじの背中」(TBS系)だ。

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 倉本聰さんや三谷幸喜さんら脚本家10人が父と息子・娘という同じテーマで書いた脚本を実写化する各話完結ドラマで、第1話は、NHKの連続テレビ小説「おひさま」の岡田惠和さん脚本の「圭さんと瞳子さん」。交通事故で母親を亡くして以来、男手ひとつで娘を育ててきた田村正和さん演じる父・樋口圭太郎と、松たか子さん演じる娘の瞳子の日常を淡々と描きながら、一見過保護のようにも見える圭太郎の行動や、瞳子が父親を「お父さん」ではなく「圭さん」と呼ぶ理由などが明かされていく。

 注目したのは、「じんべえ」(フジテレビ)以来約16年ぶりに親子を演じる田村さんと松さんの間に流れる、まるで本物の親子のような自然な空気感。さまざまな行動や話す言葉からは、お互いを深く思いやっていることが伝わってくるが、それが大げさにならないのは、この2人が演じているからこそ。通常の親子関係より濃密な、ちょっと恋人同士のような雰囲気も感じられて、松さんの表情から目が離せなくなる。

 父親目線で見れば、理想の親子関係が描かれているのでは。結婚適齢期になっても父親と2人で暮らしていて「幸せ」とはっきり言う娘の成長をじっと優しく見守り続ける父親の姿に思わず涙してしまった。

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