錦織圭選手:ジョコビッチ戦も「油断せず」 日本男子96年ぶり全米4強進出

全米オープンテニスのベスト4に進出した錦織圭選手 写真:AP/アフロ
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全米オープンテニスのベスト4に進出した錦織圭選手 写真:AP/アフロ

 ニューヨークで開催中の2014年シーズンのテニスグランドスラム(4大大会)最終戦「全米オープンテニス」。大会10日目の男子シングルス準々決勝で、錦織圭選手はスタン・バブリンカ選手(スイス)を降し、自身初のグランドスラム準決勝進出を決めた。日本男子としても96年ぶりとなる同大会ベスト4入りを決めた錦織選手が準々決勝を振り返るとともに、ノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)との準決勝への意気込みを語った。大会第11日は4日深夜0時からWOWOWライブで生中継される。

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 −−コーチにはどのようなことを言われていた? ベスト4に入って見える世界は違いますか?

 練習前はしっかり今日の戦術等を再確認して、やることをしっかり頭に入れて、バブリンカ選手の弱点というか狙うところや、作戦をしっかり組み立ててやりました。まだそんなに分からないのですが、初めてグランドスラム準決勝まで来られて、トップテンを2人破れたことは、すごい自信につながると思います。

 −−今、上の空ではないですか?

 そうですね。意外と冷静ですね。

 −−勝った瞬間、呆然としている感じでしたが?

 いや、もう疲れていて、喜ぶ元気がなかったので。チームのボックスを見たら、みんな飛び上がっていましたけど、そこまで元気がなかったので、ちょっと驚きと……、特に5セット目はブレークポイントをしのぐので精いっぱいだったので、そこから最後にチャンスが来て、2本目でしっかり決められたことがうれしかったです。

 −−5セット目は相手のサービスが取れなかったりもしたが、そこは大丈夫でしたか?

 それもあると思いますね。なかなかリターンで動けなかったので。ファースト、あの1ポイント目と 2ポイント目を簡単に取られて 30−0になる展開が多くて、 40−0がほとんどでしたけど、なかなかチャンスが来なかったので。でも4−3と5−4のゲームではしっかり腰を落としてなるべく集中するのを意識してやっていたので、最後はリターンが入ったのでよかったですね。

 −−第5セットのリターンは今回のキモだったと思いますが、どれぐらいの確信を持って打っていたのですか?

 ほぼ一か八かでしたね。あんなに後ろからダウンザラインを打つのはセオリー的には良くないことでしたけど。まあ自信もあったので、そこは一か八かでした。

 −−前の試合と同じファイナルセットでメディカルタイムアウトを取ったのは何か予防的な意味か?

 ただのテープですね。足のケガをしていたマメのところが徐々に痛くなってきていたので。

 −−タイブレークを取った後に次を落として、気持ち的にも難しいところだったと思うが、どうでしたか?

 そうですね。とりあえずすぐ忘れようと思っていました。やっぱり悔しい思いは尋常じゃないぐらいありましたけど、取られたものは仕方ないので。特に5−5のタイブレークでバックハンドを少し焦ってしまったり、ちょっとこのタイブレークで安易なミスもあったので。とりあえず忘れて、この1ゲーム目からしっかりやろうと思いました。

 −−相手のバックハンドを攻略するためにどういったことに気をつけていましたか?

 なかなかフォアにいく勇気がなかったのもあるし、特にバックのクロスで彼のボールがサイドに伸びてくるので、それをダウンザラインになかなか持っていけなかったのですが、最後の方はフォアに揺さぶってできていたので良かったです。バックのクロスラリーには自信がありましたけど、やっぱりバブリンカ選手はうまかったですね。急にアングルに打ってきたり、ダウンザラインもしっかりはたいてくるので、やはり最後までバックは厄介でした。

 −−24歳で全米選手権の初のベスト4に到達したことについて、どう捉えていますか?

 強い相手を破って、今こうやってベスト4まで来れているっていうのは、評価できることだと思いますし、次も油断せず決勝まで行きたいですね。

 −−今までグランドスラムでは体力的にきつくなると言っていたが、今の体力や疲れは?

 やっぱり4、5セット目は徐々に重さは来ていましたけど、思ったよりも良かったですね。昨日は結構体が固くて大丈夫かなという不安がありました。朝も体が軽いとは言えませんでしたけど、試合をするのに十分な軽さはあったので、動けないっていうわけでもなく、最後までこうやって長い5セットを2試合続けられました。特に5試合を勝ってここまで来ているっていうのは初めてなので、もちろん次の対戦に向けての不安はありますけど、まあ2日あるのでしっかり体を直したいです。痛みはないので行けると思います。

 −−クルム伊達公子さんが「グランドスラムの8強から4強に行けば、相手も目の色が変わってくる。挑戦する方も何か欠けてはいけなかったり、さらにブラッシュアップしなければいけないものがある」と言っていた。今日の試合を振り返って、その「何か」は何だと思うか?

 今回は最後まであきらめずに戦えたことですね。前回もそうですけど、出だしが悪い中でも、自分で何か考えて調子を戻して、特に最後ギアをさらに1個上げて、疲れている中でも集中してできたのは、前回はなかったことだと思います。確かにここから敵がどんどん強くなってきているので、自分のこの集中力っていうのもより大事になってくると思います。勝てると思い込むことがこれからもっと重要になると思います。

 *……WOWOWライブでは、4日深夜0時から、女子シングルス準決勝のエカテリーナ・マカロワ(ロシア)対エレナ・ベスニナ(ロシア)、男子シングルス準々決勝のトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)対マリン・チリッチ(クロアチア)をWOWOWライブで生中継。(試合の進行状況により、放送カードが変更となる場合がある)。

 また29日~10月5日、錦織選手ら世界のトップ選手が出場する「楽天ジャパンオープンテニス」を連日生中継する。初日の放送は無料。

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