錦織圭選手:日本人初 グランドスラム決勝進出を決めた激闘を振り返る

日本人初となるグランドスラムでの決勝進出を決めた錦織圭選手 写真:アフロ
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日本人初となるグランドスラムでの決勝進出を決めた錦織圭選手 写真:アフロ

 ニューヨークで開催中の2014年シーズンのテニスグランドスラム(4大大会)最終戦「全米オープンテニス」。大会第13日に行われた男子シングルス準決勝で、錦織圭選手は、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)を破り、日本人初となるグランドスラムでの決勝進出を決めた。決勝を前に錦織選手に話を聞いた。大会第14日はWOWOWライブで7日深夜1時25分から生中継される。

ウナギノボリ

 −−準決勝に進出したときは「決勝に出るまでは喜べない」とおっしゃっていましたが、今の気持ちは?

 いやうれしいですね。倒した相手も強い相手なので、こうやってしっかりまた勝ち切ることができたっていうのが、とってもうれしいです。

 −−日本人初のグランドスラム決勝進出という新たな歴史を作ったことに対しては?

 もちろんうれしいですけど、あまりレコードは気にせず、グランドスラムの決勝に入るということは僕も初めてのことなので、もちろん緊張したりもあるだろうし、しっかり気持ちの準備を整えておきたいですね。

 −−振り返ってみて、準決勝の試合はいかがでしたか?

 そうですね、入りはよかったですね。(ミロシュ・)ラオニッチ(カナダ)も(スタン・)バブリンカ(スイス)のときも入りが硬かったり、ちょっと気持ちが入りきれていなかったりしたんですけど。前日の夜にしっかりメンタルを準備して、いろいろこう自分の中で考えて。特にこの2試合があんまりいい出だしじゃなかったので、コーチからももちろん言われてましたし、出だしからしっかり自分のテニスをするのを心掛けて入りました。

 −−次も絶対勝ちたいみたいな気持ちは、強くなっているのでしょうか?

 そうですね。今はそれしかないですね。なんか、なんとなくまだグランドスラムの決勝にいるっていう感覚があんまりなくて。準決勝も舞い上がらず、しっかりこう試合に入り込んでジョコビッチ相手に戦うことができているので、多分マスターズで決勝にいったりした経験などが生きてきているのかなって感じます。

 −−対策は?

 そうですね。出だしの試合の入り方だったり、気持ち一つでプレーも変わってくるので。もちろんジョコビッチとやることで、長いラリーもたくさんあるだろうし、体力面でキツイところを気持ちの面で負けないようにっていうのを一番に考えてやってました。

 −−錦織選手もかなり疲れているところで先にブレークされましたが、精神的にキツかったのでは?

 そうですね、またいやな展開でしたね。バブリンカのときも5−3でサーブで簡単に落としてしまったり、ちょっとこう、2試合連続続いていたので。でもとりあえず本当にリセットすることを心掛けてキレずに何とかやってました。

 −−第3セットのタイブレーク、最初のポイントを取ってはいましたが。

 いや、もうリードしてたときも追いつかれるんだろうなって気持ちでやっていたので、ある意味準備はできてたっていうか。ちょっとこう油断しがちに何試合かなっているので、それにこう気持ちで焦らないようにあえてこう逆境になることをずっと考えながらやっていたので。でもあのタイブレークでこのぐらいの選手があんなに簡単なミスをしてくれるんだっていう、やっぱり誰でもナーバスになったりするんだなっていうのを改めて感じました。

 −−第2セットは逆にすごいジョコビッチが、主導権を取り返そうとしていましたが、比較的あっさりしていました。

 もう何となくヤバイなっていう感じでした。ずっと彼のペースで、何を打っても決まらないし、左右に振られるし、すごい打ってくるわけじゃないですけど、丁寧にサイドに振り分けてくるので、彼の強さっていうのはこういうテニスなんだなって。このまま長いラリーがずっとになると自分の方が体力的に先に負けてしまうし、このままいってしまうのかなっていう不安はありました。

 3セット目ぐらいから、もっとこう自分でポイントを早めに終われるように自分から打っていったり、それがまあ効いていたので、自分のテニスもよくなってきてましたし、バックのダウンザラインだったり、フォアでもっとしばいていくっていうのを考えてやってました。

 −−「明けない夜はない」とおっしゃっていますが、自らの力でそれを証明し続けていますね。

 そうですね、自信もついてきているので、しっかり強い選手も倒して、いいテニスができているので、まあこのまま調子を落とさずにやれれば絶対にいけると思います。

 −−どういったところが強くなった要因だと思いますか?

 正直自分でもおかしいんじゃないかっていうくらい、2試合5セットやって。準決勝もどっちかっていうと、もちろん僕も疲れはありましたけど、彼の方が疲れているように見えたり、体力面でこんなに強くなっているんだなっていうのを、改めて実感したので。今年初めぐらいから、しっかりトレーニング期間を、大会中でも設けて、トレーニングをしっかりやるようにしてる。けが、手術後もしっかりトレーニングだけはやってたので、体にこうやって問題がないってことは、一番うれしいことですね。

 −−セカンドに対してもかなり対応できていましたね。

 そうですね、なるべく攻めていこうと思っていたので。そんなに速いセカンドではないですし、なるべく速いタイミングで取ることを、コーチからもそれが有効だろうと言われていたので、それはなるべく意識して前に入って行きました。

 −−初めての準決勝で、経験豊富なマイケル・チャンコーチからどんなアドバイスがあったのでしょうか?

 毎回言われることは同じなんですけど、集中力を絶やさずにやることと、そうですね、彼とやってきて、テニスがよくなってきている、変わってきているので、絶対にこう結果が出ているのも彼のおかげだと思いますし。とてもいい感じできてます。

 −−決勝の対戦相手の印象は?

 展開の速いプレーヤーなので、(マリン・)チリッチ(クロアチア)もサーブが最近よく展開の早いプレーに変えてきてると思うので、しっかりとしたディフェンスは必要だと思いますし、しっかり気持ちの準備はしておこうと思います。

 *……WOWOWライブでは、7日深夜1時25分から男子ダブルス決勝のボブ・ブライアン選手、マイク・ブライアン選手(アメリカ)対マルセル・グラノイェルス選手、マルク・ロペス選手(スペイン)を生中継する。

 9月8日午前5時15分からは、女子シングルス決勝のセリーナ・ウィリアムズ選手(アメリカ)対キャロライン・ウォズニアッキ選手(デンマーク)で生中継する。

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