ツイテッタ~:日曜夜に「感情に触れられるテレビを」 番組プロデューサーに聞く

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 MBS・TBS系で放送中の、国内外の「すげぇ」と思うような人気者や仕事人をタレントや俳優の“旅人”が訪ねて紹介するバラエティー紀行番組「さまぁ~ずの世界のすげぇにツイテッタ~」。1995年~2008年まで放送された「世界ウルルン滞在記」や1998年から続く長寿ドキュメンタリー番組「情熱大陸」シリーズなどに携わり、ドキュメンタリーとバラエティーの融合を目指すという上野大介プロデューサーに企画した経緯や魅力について聞いた。

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 −−番組の経緯を教えてください。

 これまで、「ウルルン」、「ホムカミ」などを15年ぐらい担当してきて、視聴者の方の日曜の夜のリズムに変化が起きていると感じていました。昨今のバラエティー系の紀行番組は、1本のスタイルか、3本ぐらいを詰め込んだものなどさまざまです。2時間特番だったら、3~4本の企画を詰め込んで玉手箱のように楽しんでもらえますが、「ホムカミ」で試行錯誤した結果、1時間の使い方を見つめ直す必要があると思いました。「ツイテッタ~」は、(1時間に)3本ぐらいの企画を入れたスタイルで、常にピークを感じてもらえるような感じを出したかったんです。

 −−番組の魅力はどこに?

 「世界を舞台にした人と人との交流を描く」これだと思っています。世界をテーマにした番組は多いと思いますけど、各国の情報や魅力を単に伝えるのではなく、僕らはもう一歩踏み込んだ、人と人の交流だったり、「すげぇ」ことをしている職人を通して、どういう暮らし方やライフスタイルがあるのか、それによって家族をどう養っているのかという点に密着することで、その方々の人生観を掘り下げていきたいと思っています。

 −−近年、世界をテーマにした番組がゴールデン帯に増えているように感じます。

 海外で暮らしている日本人、逆に日本で暮らしている海外の方が増えているんだと思います。そこには、若い方たちが日本では働きにくいと海外に出る形もあれば、年配の方々がセカンドライフのために日本を出る方もいると思います。番組で、「こういう生き方があるのか」「こういう世界を見たい」と考えている方たちが増え、それを僕らがキャッチして、情報を伝える番組が増えているのかもしれませんね。それと、物理的なことですが、機材の軽量化もあると思います。カメラがデジタル化して、テープではなく(保存形式が小型)カードになったり、ハンディカムで撮影したりもできますからね。そういう意味で取材をしやすくなった傾向はあると思います。

 −−同番組の撮影方法は?

 徹底して「ENG」という大型で専門的なカメラにこだわっています。僕らは、人と人の交流をとにかく大事に撮りたいんです。ハンディカムなどで撮影をすることは可能かもしれませんが、たとえばENGのカメラワークだと、人が何かを言って、隣の人が泣くなどの感情をちゃんと撮影できると思っています。泣く表情をただ押さえるのではなく、人と人が交流して、どういう感情が生まれているのかを押さえたいんです。視聴者の方の中には、そんなカメラワークなんてどうでもよいなんて言う方もいると思いますが、僕らは、そういうことをやること自体が、画面に伝わっていると信じています。

 −−「世界ウルルン滞在記」や「情熱大陸」で得た経験を生かしている点は。

 「ウルルン」がスタートして2年ぐらいたったときに合流しました。ロケでいろいろなところに行かせていただき、時には秘境と呼ばれるようなところで、テント泊していろいろなものを食べたり。テレビの仕事で、こういう体験ができるのかと驚きました。「ウルルン」と「情熱大陸」に並行して携わっている時代もあって、ここで得たドキュメンタリー感を、どうバラエティーに組み込んで伝えられればよいかといった点や、「さまぁ~ず」さんをはじめ出演者の方々との仕事が、今はとにかく楽しいです。

 −−「世界ウルルン滞在記」では、小栗旬さん、玉木宏さん、塚本高史さん、上地雄輔さん、向井理さんといった方たちが若い頃に出演しブレークのきっかけの一つとなったような気がします。

 「ウルルン」の絶頂期を支えていたのは、間違いなく「誰だよ」って言われてしまうような若かった俳優、タレントさんたちが体当たりでいろいろなことにチャレンジしていく姿を見せてくれたおかげだと思います。「ツイテッタ~」では、国内外の「すげぇ」職人の方たちのもとに、タレントや俳優さんが行くわけですが、芸能人といった殻を破って、どういう一面を出すのかというところに興味を持っていただけるのはうれしいです。

 例えば、こういうイメージを持っている芸能人が、こういう世界に入って行ったらどうなるんだろうという“意外性”も大切だと思っています。レギュラー「ツイテッタ~」のSHELLYさんやアイドルグループ「Sexy Zone」の中島健人さんが、実際に仕事を体験してきたことを届けることも、とても重要だと思います。

−−「ホムカミ」に続き、さまぁ~ずさんを起用した理由は?

 どういう形でも柔軟に対応してくださるので、とても信頼しています。さまぁ~ずさんも(この番組のMCとして)こだわりを持ってくださっていて、旅人が隣にいると質問を聞くだけになる可能性があるので、このスタイルだとよさが出せないため、MCもVTRを見て素朴な疑問を出して、ご意見番「アラマッタ~」というキャラクターが解説役として参加しているスタイルになっています。

 −−番組を楽しみにしている視聴者の方たちにメッセージを。

 MBS(毎日放送)の日曜夜のラインは、「ウルルン」の後に、ドキュメンタリー番組の「情熱大陸」「世界遺産」と続いていた時代がありました。視聴者の方から「これらを見て楽しんでから、月曜日の仕事のスタートに備えている」と聞かせていただいたこともありました。日曜の夜というのは、1週間の締めくくりであり、仕事や学校に備える時間だと考えています。テレビには、まだそういう力が残っていると思っています。日曜夜という時間帯に人と人との言葉や会話、感情に触れられる姿を届けるというのが、僕らの番組のテーマだと思っていますので家族全員で楽しんでただきたいと思います。

 19日は、スペシャルツイテッタ~として俳優の真剣佑さんがポルトガルの闘牛士に挑戦。さらに、タレントのはるな愛さんがタイのスカウトマンのもとへ赴く。レギュラー「ツイテッタ~」のSHELLYさんは、女装カメラマンに密着する。同番組は毎週日曜午後10時から放送。

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