テレビ試写室:「わが家」 向井理と長塚京三が父子役 家族の再生描く

「新春ドラマ特別企画 わが家」のワンシーン=MBS提供
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「新春ドラマ特別企画 わが家」のワンシーン=MBS提供

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、俳優の向井理さん主演で4日午後9時に放送される新春特別ドラマ「わが家」(TBS・MBS系)だ。

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 向井さんが演じるのは、寂しい客に友達や恋人などを派遣する“人材レンタル会社”に勤める桜木一歩。爽やかな好青年で、常連客から養子縁組の話を持ち出されるなど、仕事の評判は上々だが、かつて父親に捨てられた記憶を持つ。そんな一歩が、妹の結婚話をきっかけに、母が一人で待つ海辺の故郷に久々に戻ると、そこに20年間音信不通だった父親が現れて……というストーリー。物語は、20年ぶりに期せずして父親に再会した一歩の心の葛藤(かっとう)を中心に、家族4人それぞれが、それぞれの存在に対して胸に秘めてきた思いや過去の出来事が徐々に明らかになる中で、やがて再生への道を歩み始める様子が描かれている。

 料理人で、ふらっと家を出たまま20年間音信不通だった一歩の父・武士を長塚京三さん、子ども2人が自立したあとも、海辺の「わが家」に残り、とある理由によって一人で家族を待ち続けた母の鯛子を田中裕子さんが演じ、村川絵梨さんが天真爛漫(てんしんらんまん)な妹のほの香役で出演。向井さんと長塚さん、田中さんは今回が初共演。向井さんと長塚さんの、ぎこちなく、もどかしさを抱えた父子の姿が妙にリアルで、時にさりげなく時に激しく本音をぶつけ合う場面は胸に迫るものがあった。

 主題歌は、女優で歌手の高畑充希さんが歌う「ホームにて」。中島みゆきさんの名曲のカバーで、尺八・ピアノ・チェロのトリオ「KOBUDO−古武道−」とコラボが実現し、故郷への思いがつづられた歌詞と相まってじんわりと心にしみる。こちらも必聴だ。

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