注目映画紹介:「ジャッジ 裁かれる判事」Wロバートの演技に注目 ヒューマンな仕上がりの法廷劇

(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BVI)LIMITED,WARNERBROS.ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
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 「アイアンマン」(2008年、10年、13年)や「シャーロック・ホームズ」(09年、11年)の両シリーズでおなじみのロバート・ダウニーJr.さんと、「ゴッドファーザー」(1972年)や「地獄の黙示録」(79年)、最近では「アウトロー」(2012)などの作品で知られるロバート・デュバルさんが親子を演じた「ジャッジ 裁かれる判事」(デイビッド・ドブキン監督)が、17日から全国公開される。殺人容疑をかけられた判事である父と、その弁護に立った息子。わだかまりを抱える父と息子の関係修復に重点を置いた法廷劇になっている。ダウニーJr.さんが製作総指揮も務めた。

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 大都会の米シカゴで活躍する弁護士ハンク・パーマー(ダウニーJr.さん)は、依頼人が有罪でも金さえ積めば無罪とするほどのやり手だ。そんな彼が弁護することになったのは、自分の父であり、故郷インディアナ州の田舎町で42年間、判事を続けている父ジョセフ(デュバルさん)。ジョセフにかけられたのは殺人容疑。厳格で、法の下では正義を貫くことを信条とする父が殺人など犯すはずがない……。父の無罪を信じて疑わないハンクだったが、いざ裁判になると父に不利な証拠ばかりが出てきて……という展開。

 なんといっても見どころは、2人のロバートさんの“演技対決”だ。過去のある出来事から父ジョセフに遠ざけられ、以来、ずっと父に認められたいと思い続けてきたハンク。「正義は理想だが現実は別」と、金のために動く弁護士に成り下がってしまってはいるが、そもそも彼が弁護士になったのは父に認めてもらいたかったからだ。そんな息子をダウニーJr.さんが軽妙に表現した。一方のデュバルさんも、息子を思いながらがんこな性格が災いし拒絶してしまう父親を、苦虫をかみつぶしたような顔で重厚に演じてみせる。緊迫感たっぷりの法廷劇を想像していたため、裁判を通じて父と息子がわだかまりを解いていくというヒューマンな仕上がりに少々戸惑ったが、“ダブル”ロバートの共演は見応えがあった。ジョセフとハンクを追い詰めるクールな検事をビリー・ボブ・ソーントンさんが好演。ほかに、「マイレージ、マイライフ」(09年)のベラ・ファーミガさん、米ドラマシリーズ「ゴシップガール」(07~12年)のブレア役でブレークしたレイトン・ミースターさんが作品に彩りを与えている。17日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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