M-1グランプリ2024 決勝戦
決勝戦 FIRST ROUND 前半戦 1~5組目
12月22日(日)放送分
WOWOWは毎週土曜午後1時に「WOWOWオリジナルドキュメンタリー」枠として、「ノンフィクションW」と「国際共同制作プロジェクト」の2番組を両輪に、国内外のさまざまなテーマを扱ったオリジナルのドキュメンタリー番組を放送している。2月7日に放送される「ノンフィクションW 『ブルーノート』の逆襲 ~名門ジャズ・レーベルの未来を託された男~」をプロデュースしたWOWOWの制作部の金山麻衣子プロデューサーに、番組の魅力を聞いた。
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−−番組の概要と魅力は?
マイルス・デイビス、セロニアス・モンク、ハービー・ハンコックなどを次々に送り出してきた、創立75周年を迎える名門ジャズレーベル「ブルーノート・レコード」が、今新たな黄金期を迎えています。キーパーソンは、社長のドン・ウォズ。彼は、70年代人種混成バンド、ウォズ(ノット・ウォズ)で一世を風靡(ふうび)したあと、ボブ・ディラン、ザ・ローリング・ストーンズなどそうそうたるアーティストを手がけている名プロデューサーです。3年前に「ブルーノート・レコード」の社長に就任して以来、ドンは創業者の精神を引き継ぎ、「ブルーノート・レコード」の伝統を大切にしながらも、ジャンルや人種を超えて、常に革新的な音楽を生み出していくことを推し進めています。彼が大切にしているのは、本物の音楽を追求すること。そして、その本物の音楽を生み出すアーティストたちに、妥協なき表現の自由を与えること。それが自分の務めだという信念が、彼にはあります。番組は、進化の歩みを止めないドン・ウォズの社長業、特にアーティストのプロデュースワークに密着取材。名門ジャズ・レーベル「ブルーノート・レコード」の真骨頂を明らかにします。
−−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?
昨年、第56回グラミー賞授賞式の翌日に、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターが共演して話題を呼んだザ・ビートルズのトリビュート・コンサートで、彼らの後ろでベースを演奏している、カウボーイハット、サングラス、足はサンダル……の一風変わったアーティストを見ました。その人はドン・ウォズというカリスマプロデューサーで、あの「ブルーノート・レコード」の社長なのだと、スタッフに教えてもらったことがキッカケです。
私自身は、当時ドン・ウォズさんのことを知らず、まず現役アーティストで、かつ名プロデューサーであり、あの「ブルーノート・レコード」の社長でもあるという人はどんな人なのだろう?と驚いて、もっと彼のことを知りたいと思いました。
調べていく中で、本国「ブルーノート・レコード」と直接契約した初の日本人トランぺッター、黒田卓也さんに行き着きました。黒田さんは、単身渡米した後、10年ほどニューヨークで活動を続けている中で、ドンさんが契約を結んだアーティスト。まさに本物の音楽には人種や国籍の垣根がないというスタンスがあるように思いました。こうしたドン・ウォズ社長の音楽哲学を、ドキュメンタリー番組という形でひもときたくなったわけです。
−−制作中、一番に心掛けたことは?
老舗ジャズ・レーベルの「ブルーノート・レコード」を取り上げる上で、どうしてもジャズの知識や音楽用語が飛び交う内容になるということが分かっていましたので、ドン・ウォズ社長の活動を中心としたこのドキュメンタリーについて、ジャズファンで音楽知識をたくさん持っている視聴者の方と、ドキュメンタリー番組をよく視聴しているノンフィクションWのファンの視聴者の方との両者に楽しんでいただけるようなバランスをもった視点でつづっていくというスタンスを心掛けました。音楽ドキュメンタリーでもあり、企業ドキュメンタリーであり、ヒューマンドキュメンタリーでもあるという、その多面的なバランスをとるために、スタッフは常にその初心を忘れず、議論を重ねたりと、丁寧に作っていきました。
−−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?
ドンさんは、常に世界中を飛び回る、社長業とアーティスト業が忙しい身ではあっても、私たち撮影クルーを非常に歓迎してくれました。かなり長期間いろいろな場所で追いかけて取材しましたが、いつも優しく穏やかな印象でした。どうして「ブルーノート・レコード」での自分の活動を取り上げたいと考えたのか、そんな逆質問をしてきたり、おいしいラーメン屋はどこか、など、常に好奇心旺盛な、少年のような人です。日本にも大変関心を寄せていて、来日中に見た日本のテレビ番組の話をしたり、ラーメンが好きだったり(横浜のラーメン博物館もご存じ!)となかなかの日本通。こんなところにも、彼がボーダーレスな考え方の持ち主であることを感じさせられました。取材の最後には、ドンさんが取材のお礼にと、撮影クルーにラーメンをごちそうしてくれたのはうれしいエピソードでした。
−−番組の見どころを教えてください。
ドン・ウォズが、“まさにブルーノートの申し子”と語る、「ブルーノート・レコード」看板アーティストのホセ・ジェイムズの新作アルバムのレコーディングをプロデュースする制作現場に密着しています。ホセは今年、生誕100周年を迎えるジャズの女王、ビリー・ホリデイに捧げるトリビュートアルバムを企画。ドン・ウォズ社長が企画に賛同し、ホセを初めてプロデュースしているのです。ここで、私たちはドン・ウォズのプロデュースワークを目にすることになるのですが、レコーディングスタジオでは、人種のるつぼで独特の文化が形成された都市デトロイトで生まれ育ったドン・ウォズだからこそのマジックが生まれていました。さて、それがどんなマジックなのかは、ぜひ番組で見届けていただきたいと思います。ニューヨーク、ロサンゼルス、デトロイトまで米国を横断して、そのマジックの源もしっかり取材しています。ご期待ください!
−−視聴者へ一言お願いします。
ジャズは、どんなふうに聴いていいかわからず、敷居が高くて、ちょっと大人のもの……というような印象を持っていらっしゃる方も多いと思います。そんなジャズのイメージをも変えてくれる、「ブルーノート・レコード」のアーティストたちの音楽が、この番組から聴こえてくるはずです。その伝統ある歴史からたどり、現社長のドン・ウォズの活動を追うことで、それぞれの時代で一番最先端のジャズ、革新的な音楽を追求することこそが、「ブルーノート・レコード」の“伝統”そのものだというシンプルな音楽哲学が見えてきます! これが「ブルーノート・レコード」の伝統ある、かつ最先端のジャズです!
WOWOW 制作部 プロデューサー 金山麻衣子
*……WOWOWの生中継番組「生中継!第57回グラミー賞授賞式」にドン・ウォズさんの出演が決定した。9日午前9時から同時通訳をWOWOWプライムで、午後10時から字幕版をWOWOWライブで放送。
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2024年12月25日 11:00時点
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