黒木瞳:初の政治家役で「大臣」に快感 “首相”への意欲も

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 黒木瞳さんが首相を目指す政治家役に初挑戦するWOWOWの連続ドラマ「スケープゴート」が12日からスタートする。権力と嫉妬(しっと)が渦巻く永田町を舞台に、大学教授の三崎皓子(こうこ)が政界に進出し、首相を目指して駆け上がっていくサクセスストーリーだ。「一番気持ちよかったのは大臣と呼ばれること。快感でした」と笑顔で語る黒木さんに、初めての政治家役や撮影現場について話を聞いた。

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 ドラマは幸田真音(こうだ・まいん)さんの同名小説(中央公論新社)が原作。黒木さん演じる大学教授の皓子は、次期政権を狙う大物政治家・山城泰三(古谷一行さん)によって政治の世界に引き込まれ、政界の頂点を目指して階段を駆け上がっていく……。皓子の元恋人でテレビ局役員の矢木沢峻を石丸幹二さん、皓子の娘・麻由を佐々木希さんが演じるほか、山口紗弥加さん、小市慢太郎さん、相島一之さん、光石研さん、神保悟志さん、小林隆さん、西岡徳馬さんらも出演する。

 ◇真っすぐな役「演じにくい」 

 まさに清廉潔白で真っすぐという言葉が似合う皓子という役どころに、黒木さんは「すごい人。自分の信念、志を持ち、思いを実現させていく強さ。ただただ感心します」と率直な感想を語る。これまでに幅広い役を演じてきたが、「逆にこういう役柄は演じにくい。真っすぐだから、真正面から入っていかないといけない。ちょっとハードルは高かったです」と明かす。

 「変わった人とか、ちょっとくせがある方が演じやすい。難しかったので、正統に演じるしかないなと思った」という黒木さんだが、「正統が難しくて……」と苦笑し、「何も考えないで、真っすぐ普通にせりふを言ってみようと意識してみました。小手先を使っても何もいいことはないと思ったので」と振り返る。

 ◇会見シーン自画自賛 

 それでも、「よく見る官房長官が会見するテーブル(机)のシーンは、意外と“画(え)”がいいんですよ。似合ってるというか、違和感がない(笑い)。そのへんで手応えは感じてます」と自画自賛。「そこでスピーチというか自分の信念を話すんですけど、いい”画”が取れてます(笑い)」と柔らかな表情で語る。

 日本では数少ない“政治エンターテインメント”ドラマ。「女性が総理になっていくのもあまりないと思いますので、そういった意味でも新しいのかな。まるで恋愛(要素)が入ってないのに、物足りなさを感じない。真面目な作品ですけど、エンターテインメント性は十分、あると思います」と自信ものぞかせる。

 さらに、「いろんな役をやっていますけど、正義の味方、正統派な役の時は気持ちいいものはありますね」と話し、今回の作品で気持ちよかったシーンを聞くと、間髪を入れず「一番気持ちよかったのは大臣と呼ばれることです」と答え、「これは個人的に快感でした」といたずらっぽく笑う。

 ◇浜松で“選挙活動” 次は首相に?

 静岡県浜松市でのロケでは選挙シーンも撮影した。「私の顔写真が入った、三崎皓子って書いてある選挙カーに乗って、身を乗り出して『よろしくお願いします!』って。誰もいない、本当に交差点みたいなところで! 『あっ、お母さんよろしくお願いします!』って声を枯らして選挙活動をしてきたんです」と笑顔で振り返る。「(近くの)車の中から、みんなあ然としているような感じで。ちょっとシュールでした。ハハハ」と楽しそうに笑った。

 実際に政界からオファーが来たら?という質問には「来ないと思いますけれども、私にはとても務まりません」とさらりとかわす黒木さん。それでも、また大臣役をやってみたい?と聞くと、「……ちょっとね(笑い)」と色気を見せ、今回の作品の「その後が見たいですよね。総理と呼ばれる快感があるかもしれないので、ぜひ幸田さんに続編を書いていただければ。幸田さんに期待したい」と“首相“への意欲を明かした。

 ドラマはWOWOWプライムで12日から毎週日曜午後10時に放送。全4話で、第1話は無料放送。

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