内村光良:コントのイメージ「払拭したい」 13年ぶり連ドラ主演で“役者”目指す

連続ドラマ「ボクの妻と結婚してください。」で主演を務める内村光良さん
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連続ドラマ「ボクの妻と結婚してください。」で主演を務める内村光良さん

 お笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良さんが主演を務める連続ドラマ「ボクの妻と結婚してください。」(NHK・BSプレミアム)が10日スタートする。内村さんにとって、2002年7月期に放送された「ぼくが地球を救う」(TBS系)以来、13年ぶりの連ドラ主演となる本作。「何本かドラマをやってきましたが、何をやっても『コントっぽい』って周りに言われているんじゃないかっていうコンプレックス、強迫観念がずっとあって、それを払拭(ふっしょく)したいという思いがあった」と、脱・コント芝居への思いを語る内村さんに、撮影の苦労や役への思い、今後の“俳優人生”について聞いた。

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 ◇目指したのは「役者」

 「ボクの妻と結婚してください。」は、放送作家の樋口卓治さんの同名小説(講談社)が原作で、14年に内村さん主演で舞台化もされた。ドラマ版は、内村さん演じる、余命6カ月を宣告されたテレビ局の営業マン・三村修治が、残される家族のために、妻の再婚相手を探す“婚活”を始める……というストーリー。修治の妻・彩子役は、舞台と同様に女優の木村多江さんが務めている。

 撮影は今年1~3月、現在NHK総合で放送中のコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」と並行して行われた。「30年の芸能生活の中で一番働いた。ほぼ休みがなく、1週間の中にドラマの撮影日とコントの撮影日があって。自分を褒めてやりたいくらい頑張りました」と振り返る内村さん。その裏には「今作で役者さんの仲間入りがしたかった」という気概があったという。

 役者にこだわるのは、「何をやってもコントに見える」という長年にわたりコントを主戦場としてきた内村さんならではの悩みがあるためだ。内村さんは、今回の撮影で「とにかく恥ずかしさを捨てることを意識した」といい「照れとかも一切なくして、照れずにわんわん泣くとか、照れずに笑うとか。変顔をするのにもコントとは違うやり方があるっていうのを学びましたね。死ぬ役も初めてだったんですが、肩が動かないようにって息を止めていたら監督が長回しをして『本当に、死んじゃう』って(笑い)。とにかく必死でしたし、演技一つ一つを気概を持ってやるっていう意識は強く持ちました」と語る。

 ◇“つまらない男”演じ手応え

 今回、泣くシーンも多く、「毎回号泣して、心身ともに疲れ果てましたね」としみじみと語る内村さん。命を削ってでも家族のため「次の旦那探し」をする三村修治という男について「とても尊敬の念を感じている」と真剣な表情をみせる。自分と似ている部分は「いかなる時でも人を笑わせようとするところ」といいつつ、「ただ、この三村修治って男はつまらなくて。つまらない一発ギャグをやったり、つまらないこけ方をするのはちょっと難しかった。言っちゃあ何ですけど、オレこけ方うまいんで(笑い)」と、思わぬ苦労を明かしてくれた。

 今回、本気で芝居と向き合った内村さんだが、「コント」をやる上でも「芝居そのもので、もっと笑わそうという意識は高くなってきている」と話すと、「突飛(とっぴ)なキャラクターにならなくても、もっと笑いは取れるんじゃないかって思えるようになったのは“戦利品”」と充実の笑顔。今後、役者としてチャレンジしたい役を聞くと「自分で望んでやるよりも、『こういう役が合うと思うんですけど』って人から言われたい。それは役者として認められた証になると思うので」と答え、「殺し屋とか凶悪犯とか、ドロドロとした役もやってみたい」と目を輝かせていた。

 さらに内村さんは「ずっと寅さんみたいな役に憧れてきた」とも告白。「渥美清さんの、決して自分は涙を見せず、笑顔一つであれだけ多くの人を泣かすことができる芝居。あと人間性。あれこそが役者なんだなって思いますし、憧れているところ。自分もまだまだ精進しないといけないですし、それがきっとコントにも生きる。高望みかもしれないですけど、両方続けていけたら幸せですね」と語っていた。

 「ボクの妻と結婚してください。」は全6話。10日から毎週日曜午後10時に放送される。

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