今週公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。16日には、江戸時代を舞台に俳優の大泉洋さんが戯作者を演じている「駆込み女と駆出し男」(原田眞人監督)、菅田将暉さんがホスト役に挑戦している「明烏(あけがらす)」(福田雄一監督)、謎の感染症がまん延した島「銭荷島(ぜにじま)」を舞台にした哀川翔さん主演の「Zアイランド」(品川ヒロシ監督)、テリー・ギリアム監督の最新作「ゼロの未来」などが公開される。
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「駆込み女と駆出し男」は、井上ひさしさんが晩年に11年をかけて書き上げた時代小説「東慶寺花だより」を映画化。幕府公認の縁切寺として有名な鎌倉にある東慶寺を舞台に、夫との離縁を求めて東慶寺に駆け込むじょごやお吟らに、見習い医者で駆け出し戯作者の信次郎(大泉さん)が奇抜なアイデアで新たな出発を手助けする……というストーリー。じょごを戸田恵梨香さん、お吟を満島ひかりさんが演じている。笑いとほろりとさせるエピソードはもちろん、共演者と丁々発止のやりとりを見せる大泉さんや若手俳優陣の熱演なども見どころだ。樹木希林さんや内山理名さん、堤真一さん、キムラ緑子さん、山崎努さんらも出演している。
「明烏(あけがらす)」は、古典落語の「明烏」や「品川心中」などをベースに、借金返済をしないと海の底に沈められる最下位ホストと同僚のホストや女性客らが巻き起こす騒動を描いたコメディー作。最下位ホストのナオキ役を菅田さん、同僚のアオイ役を城田優さん、ノリオ役を若葉竜也さんが演じている。テンポのいい会話とハイテンションの演技から生まれる笑いの絶えない怒濤(どとう)の展開が見どころだが、映画のオープニング曲の作詞を城田さんが手掛けたことも注目したいポイントだ。
「Zアイランド」は芸能生活30周年を迎えた主演の哀川さんの通算111本目の作品で、お笑いコンビ「品川庄司」の品川ヒロシさんが監督・脚本を担当した。映画は元・宗形組組長の宗形(哀川さん)が、家出した弟分の娘を追って訪れた「銭荷島」で組を解散に追いやった竹下組と遭遇。さらに、感染症から命を落としてゾンビ化した吉田(宮川大輔さん)も現れて、島の人々を巻き込んで大乱闘が巻き起こる……というストーリー。哀川さんの本気のアクションはもちろん、宮川さん、木村祐一さんらお笑い芸人たちの怪演も見どころだ。
「ゼロの未来」は「未来世紀ブラジル」や「12モンキーズ」などを手がけたギリアム監督の最新作。コンピューターに支配された近未来の世界で、謎めいた数式「ゼロ」の解明に挑む孤独なプログラマーがある女性との出会いをきっかけに人生が動き出す様子を描いている。ブラックユーモアやウイットに富んだ脚本を、2度アカデミー賞に輝いたオーストリア出身の俳優クリストフ・ヴァルツさんや「海の上のピアニスト」の仏女優メラニー・ティエリーさんら実力派俳優が見事に演じており、現代における人生の意味を巧みに描き出している。
このほか、16日には「フライト・ゲーム」などのリーアム・ニーソンさん主演の「ラン・オールナイト」(ジャウム・コレット・セラ監督)、韓国映画「TSUNAMI-ツナミ-」で観客動員数の記録を出したユン・ジェギュン監督の最新作「国際市場で逢いましょう」、漆原友紀さんの人気マンガが原作の劇場版アニメ「蟲師 特別編『鈴の雫』」(長濵博史監督)などが公開される。また15日には米アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した「未来を生きる君たちへ」のスサンネ・ビア監督と脚本家アナス・トーマス・イェンセンさんがタッグを組んだ北欧映画「真夜中のゆりかご」が公開された。
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