篠原涼子:雪平への思い語る 完結編「アンフェア the end」

完結編となる劇場版第3弾「アンフェア the end」の場面カット
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完結編となる劇場版第3弾「アンフェア the end」の場面カット

 篠原涼子さんの当たり役といわれるクールな刑事、雪平夏見が主人公の連続ドラマ「アンフェア」(フジテレビ系)。劇場版第3弾で完結編となる「アンフェア the end」(佐藤嗣麻子監督)が9月5日に全国で公開される。主演の篠原さんに今作に懸ける思いを聞いた。

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 ◇劇場版2作もヒットした人気シリーズ

 「アンフェア」は2006年1月期に連続ドラマが放送され、07年に劇場版第1弾「アンフェア the movie」、11年に劇場版第2弾「アンフェア the answer」が公開されヒットを記録した人気シリーズ。篠原さんが演じる雪平夏見は、バツイチ、子持ち、大酒飲み。だが、検挙率ナンバーワンの敏腕で、過去に犯人を射殺した経験のある唯一の刑事という役柄。元夫・佐藤和夫(香川照之さん)の死と引き換えに、国家を裏で操る秘密組織の機密データを手に入れた雪平は、「the end」で再び警視庁捜査1課へと戻り、ついに反撃に出る。雪平が刑事になったきっかけともいえる、父親殺しの真犯人の正体も明らかになる。

 ◇トレードマークは黒のロングコート

 雪平といえばトレードマークは黒のロングコートだ。篠原さんも「コートを着て衣装をまとうとそういう(雪平の)気持ちになれちゃう。雪平というのは自分の中でも居心地のいい場所、『アンフェア』は一緒に育てていただいた作品というふうに感じています」と久しぶりにコートに袖を通した感触を表現する。

 黒のコートはもともとは私服だったという。「家に(元になったコートは)あるので、やっと(シリーズが終わったら私服として)着られるなって。ずっと10年間着れなかったので。終わったからといってすぐに着ると、またすぐに雪平夏見になっちゃうので、ちょっと時期をおいて着ようかなと思っています」とちゃめっ気たっぷりに語る。

 ◇雪平の愛がテーマ

 今作は愛をテーマにしているという。「雪平夏見という人間も人を愛し愛され、冷酷なドライな人だと思われがちだったけれども、愛というものをすごく真剣に考えている、本当にすごく愛が(あふれる)、人情に深い人なのかなというところも発見できました」と新たな発見もあった。

 演技については「恋愛モードに入っていくための表現の仕方はすごく監督と相談しました。雪平さんは、無我夢中で泣いたりとかしないタイプだと思うので、それはやらないようにブレーキをかけながら芝居しましたね」と監督と話し合いながら役を作り上げた。

 ◇アクションが楽しくなってきた

 アクションシーンもこれまでより激しいという。「前作の『the answer』は痛めつけられる感じでしたけれども、今回はちょっと頑張って痛めつけたりもしています。ちょっと強い雪平さんが見られるんじゃないかと思います」とアピールする。

 クランクイン前に指導を受け、アクションシーンが楽しくなってきたという。「なんかハマりそうと思って。バーンって投げられたりして。そのときにすごく快感って思った。気持ちいいですね。危なくないように皆さん守ってくださっているので、そういう意味では安心してアクションができました」と振り返る。

 ◇新相棒の永山絢斗の印象は

 シリーズに最初から出ているメンバーとは「リラックスして会話もできるし、落ち着きます、気を使わないですし。隣にいてもだらっとさせてもらって(笑い)」と家族のような関係だ。

 1作目のときは独身だったメンバーも結婚して子供ができた。「待ち時間も子供の話で盛り上がっちゃって。久しぶりに会っても久しぶり感が全くなくて。『アンフェア』で4年ぶりに会っているのに、すぐすんなり、昨日会っていたかのような雰囲気で会話してますね」とチームが出来上がっている。

 そこに、今作では雪平の協力者となり国家の謀略を暴こうとするシステムエンジニア、津島直紀役で永山絢斗さんが新キャストとして登場する。「絢斗君は本当に今回の役にぴったりで。彼は今回初めましてだったんですけど、最初に会ったときから素朴な感じで津島っぽいなというのがあって。もちろんどんな色にも染まれるタイプだと思うんですけど、今回は津島にぴったりだなと思いましたね。あまり多く話をするタイプの方ではないので、そういうところが逆にいいのかなと思いました」と永山さんに対する印象を語る。

 シリーズの最初の相棒は永山さんの実兄の瑛太さんだったが、「不思議な感覚でしたね。でもやっぱり兄弟かもしれないけれどタイプは全く違うので、そういう意味では新鮮な感覚で、絢斗君を単独の存在として見ています。もういい相棒になってますね」と新相棒とは息もぴったりだったようだ。

 ◇ラストはカッコいい雪平で

 「私にとっては本当にこの作品は力強いパートナー」と表現する篠原さん。完結編を迎えて「みんなで作り上げた作品でもありますので、切ないですけれども、どこかで完結していかないと見ている側のお客さんも納得いかないのではという感覚で、気持ちよく完結していこうかなと思います」と決心して撮影に臨んだ。

 ラストは「カッコいい形で終わらせたいなと。雪平夏見はカリスマ性のある存在でありたいと思っているので、終わり方もカッコいい姿形で、見ているファンの方々を決して裏切らないようにしたいなと、そんな終わり方をしたいなと思っていますね」といいつつも、「終わりといいながらも、お声が掛かればまた出動しようとは思っています」と続編への期待感をにじませた。

 出演は、篠原さんのほか、阿部サダヲさん、加藤雅也さん、寺島進さん、佐藤浩市さんら前作までの豪華出演者が勢ぞろい。また子役時代に雪平の娘・美央役で出演し、現在はAKB48のメンバーとして活躍する向井地美音さんが成長して米国に留学中の美央役で出演している。また新キャストとして、永山さんやダンス・ボーカルグループ「EXILE」のAKIRAさん、NHK連続テレビ小説「花子とアン」での演技で話題を呼んだ俳優の吉田鋼太郎さんらも出演。9月5日に全国で公開予定。

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