多くのロマンチックコメディー作品に出演しているヒュー・グラントさんの最新作「Re:LIFE~リライフ」(マーク・ローレンス監督)が20日から公開されている。田舎町を舞台に、落ち目となったハリウッドの脚本家が、自分を再発見して人生の選択をする姿を、ウイットに富んだせりふを交えながら温かく描き出した。
あなたにオススメ
来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹” 朝ドラヒロインまで手が届くか
脚本家のキース・マイケルズ(グラントさん)は、15年前にアカデミー賞脚本賞を受賞して騒がれて以来、ヒット作が出ていない。いまや妻には逃げられ、一人息子とは疎遠になっている。エージェントの紹介で、田舎の大学でシナリオコースの講師の職を得たキースだったが、やる気はゼロ。受講生には好みの女子学生ばかりを選び、過去の栄光を振りかざす始末。学科長のラーナー(J・K・シモンズさん)に注意を受けてしまう。やがて、復学したシングルマザーのホリー(マリサ・トメイさん)ら必死に勉強しようとする学生たちに感化され……という展開。
地位も栄誉も経験した中年男が、土壇場で初心に戻る姿に勇気づけられる。今作の主人公キースは、過去の栄光にすがっている。そんな男が変わるきっかけとなったのは、異業種に転職したことだった。お金のために仕方なく始めた講師の仕事。学生たちに教えることによって、キースは大事なことに気づき始める。映画愛が深い学生たちが「なぜ書くのか」という初心を思い出させてくれ、シングルマザーのホリーが見識を広めてくれる。さらに、家族を大事にする学科長の影響を受け、疎遠となった息子と再びつながろうとする。大学のある町は、ビンガムトンというニューヨーク北部の小さな田舎町。作家ロッド・サーリングさんが生んだ人気ドラマで映画化もされた「トワイライトゾーン」に出てくる古い回転木馬がある場所だ。そんな要素もキースに気づきを与え、映画的な魔法をかけてくれる。「噂のモーガン夫妻」(2009年)などを作り上げたグラントさんとローレンス監督の4度目のタッグ作。キースと人々の交流を軽妙に描き出し、グラントさんの芝居は流れる水のようで、笑わされ、心から温かい気分にさせられる。「セッション」(14年)で鬼教師役だったシモンズさんが、家族の話題に涙もろくなる学科長を演じているのも面白い。20日からTOHOシネマズ シャンテ(東京都千代田区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。いまBS12で再放送されている昭和のドラマ「ありがとう」を楽しんでいる。
ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作「モアナと伝説の海2」(12月6日公開、デイブ・デリック・ジュニア監督ほか)で主人公モアナが楽曲「ビヨンド ~越えてゆこう~」を歌う劇…
人気グループ「なにわ男子」の長尾謙杜さんが、2025年4月4日公開の映画「おいしくて泣くとき」(横尾初喜監督)で劇場映画初主演を務めることが11月22日、分かった。ヒロイン役は俳…
ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作「モアナと伝説の海2」(12月6日公開、デイブ・デリック・ジュニア監督ほか)の日本版エンドソング「ビヨンド ~越えてゆこう~」を、ガー…
故・坂本龍一さんが指揮をとった2014年のフルオーケストラ公演「Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014」の模様が映画化され、2…
俳優の今田美桜さんが11月19日、東京都内で行われた映画「劇場版ドクターX FINAL」(田村直己監督、12月6日公開)の完成披露舞台あいさつに、他のメインキャストと共に出席。美…