美味でそうろう:グルメとミステリーの時代劇 江野プロデューサーに聞く

「美味でそうろう」主演の北村一輝さんとヒロインの南沢奈央さん
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「美味でそうろう」主演の北村一輝さんとヒロインの南沢奈央さん

 BS朝日が開局15周年を記念して、大型時代劇スペシャル「大江戸事件帖 美味でそうろう」が4、5日の2夜連続一挙5時間放送される。北村一輝さんを主演に迎え、同局初のオリジナル時代劇に挑んだ江野夏平プロデューサーに思いを聞いた。

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 「美味でそうろう」は、幕末を前に老中水野忠邦が「天保の改革」を行っていたころ、鋭敏な味覚と食についての深い知識を持ったかわら版屋の柿江新平太(北村さん)が、相棒の絵師お鶴(南沢奈央さん)や町奉行の遠山金四郎(中村橋之助さん)らとともに、江戸で起こる不可解な事件を、その舌と知識を生かして解決する…という物語。

 時代劇とミステリー、そしてグルメをテーマに 「豆腐百珍」という当時のレシピ帳を元に、本当にあったレシピを再現している。脚本は、映画「武士の家計簿」「武士の献立」の柏田道夫さんと、映画「デスノート」の大石哲也さんの2人の書き下ろしで、ダブル脚本について、「大作の時代劇映画をつくってきた柏田さんに、『デスノート』など謎解きのうまい大石さんが合わさればいい脚本になると考えた」という。

 キャストも、事件のカギを握る謎の男市助を中村雅俊さん、新平太の行きつけの居酒屋の女主人おろくを若村麻由美さん、老中水野忠邦を小野寺昭さんが演じ、食や娯楽、貨幣など江戸の文化や風情の雑学を解説する語りを、「暴れん坊将軍」以来約20年ぶりの時代劇出演となる落語家の三遊亭円楽さんが担当する。また、橋之助さんの長男国生さんが若き日の海舟、勝麟太郎役で親子初共演を果たす。江野さんは「実際の親子の会話を思わせて笑えるようなセリフも入れています」と明かした。
 
 15周年記念番組が時代劇になったことについて、「地上波では少なくなりつつあるが、BSメディアは視聴者のニーズが高い。しかも江戸時代についての興味も高いので、江戸末期の天保の時代を舞台にした」といい、「ただ単なる時代劇ではなく、テンポ感があり、円楽さんの語りで当時の町人の収入や長屋の家賃などの細かい情報をいれています」と話す。

 主演に北村さんを据えたことに「個性派の俳優で、役者としてのスキルや探究心も高い。『全キャストが粋に見えるようにしたい』などと意見をいただき、非常に勉強になった」と話す。ヒロインの南沢さんは「時代背景などすごく勉強家で心洗われるようだった。まさに現場のアイドル」と評価する。江野さんは「ザ・スクープ」などの報道番組も担当しており、大工役でジャーナリストの鳥越俊太郎さんを起用、その鳥越さんのファンという俳優の宇梶剛士さんが偶然撮影所にいたため、急遽出演することになったというエピソードも披露した。

 江野さんは「江戸が学べる時代劇だと思う。いままで語られていなかった江戸の真実が分かります」とアピールしている。

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