M-1グランプリ2024 決勝戦
決勝戦 FIRST ROUND 前半戦 1~5組目
12月22日(日)放送分
米ロサンゼルスのドルビー・シアターで29日(現地時間28日)に開かれる「第88回アカデミー賞授賞式」。その模様がWOWOWで生中継される。同番組の案内役を務めるジョン・カビラさんに、今年のアカデミー賞について聞いた。
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――作品賞にノミネートされている8作品の中で、特に注目している作品は?
米国の専門サイト、専門誌などもチェックしていますが、(有力なのは)「レヴェナント」「スポットライト」「マネー・ショート」といわれていますよね。個人的には「レヴェナント」ですかね。レオナルド・ディカプリオに取らせてあげてください。そうすると、(「レヴェナント」の)アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は、(昨年、作品賞、監督賞など4部門に輝いた「バードマン~」に続いて)2年連続になる。監督賞の2年連続受賞は、1949、50年に受賞したジョーゼフ・L・マンキーウィッツ以来で史上2人目になるんです。これは非常に稀(まれ)なことで快挙!です。
――「レヴェナント」を見た感想は?
すぐには立ち上がれなかったですね。すごい映画を見たなと。究極の生還劇、復讐(ふくしゅう)劇。そして、米国の開拓時代の闇を描いている。生きることは何なのか、人間にとってプライドとは何なのかっていうことを鋭くえぐっていますよね。それから、自然の美しさと厳しさ。人間がどのくらいもろいものなのかっていうことも突きつけられます。
今回の8作品は、どう生きるのか、どう生き抜くのか、もしくはどう自分と向き合うのかなど、どこに己が立っているのかっていうことを感じさせる映画が多いと思うのですが、その中でも「レヴェナント」は出色だと思います。
レオナルド・ディカプリオの演技も、あそこまで自分を追い込んで。こんなに強烈な意思ってどこから来るんだろうって。もちろん主人公の設定がそうなんですけれど、演じる身としてここまでやりますか?って思いました。
――ディカプリオ以外の注目キャストは?
ケイト・ブランシェットが「キャロル」で主演女優賞を受賞するとなると、(一昨年受賞した)「ブルージャスミン」から1年おいての受賞。そこにも注目ですし、助演男優賞にノミネートされている(「クリード チャンプを継ぐ男」の)シルベスター・スタローン。世代的には、一緒に「エイドリアーン!」って叫んでいたので(笑い)、受賞した暁(あかつき)にはどんなスピーチをするのか、楽しみですね。
――司会は、2005年以来、2回目となる人気コメディアンのクリス・ロックさんです。今回は、黒人監督や俳優のノミネートがないことが話題になっていますが、彼が司会をすることについて、どうお考えですか。
エンターテイナーとしてのプロフェッショナルな部分がはかられるわけだし、なおかつ誰が見てもアフロ系ですから。己の自我、そのものが問われるわけですよね。自分がここに立っている意味は何なのか、求められているのは何なのか、それを上回るものは何なのか……。司会者としてのハードルがさらに上がったわけですよね。
でもクリス・ロックは、僕らが思っているレベル以上にそれを軽々と超えてくれるんだろうなって。なおさら、クリス・ロック節が炸裂(さくれつ)だと思いますよ。当然、ショーの監督と完全な共同作業ですし、スクリプトライター(脚本家)も何人もいますから練りに練られた司会だとは思いますが、それと同時に、練ることができない世界が各アワードにある。そのときに彼が何を言うのか、ものすごく楽しみですね。
――カビラさんは、WOWOW生中継での案内役が今回で10回目になりますね。
毎回新しいですよ、作品が毎回違いますし。違うふうに見えますよね。毎回が特別です。それぞれに必ずドラマがあるので、そういう夢のような瞬間を皆さんと共有できたことが本当に僕の宝物です。
――そのカビラさんから見てのアカデミー賞の魅力とは?
すべてでしょうね。レッドカーペットからショーは始まっていますからね。女優さんはどんな服装なのか、エスコートをする方は誰なのか、候補に挙がっているみなさんはどんなコメントをするのか。そこから始まっています。そして、司会の第一声はどういう言葉なのか。候補作を紹介するオープニングのビジュアルがどういう展開になるのか。最新のテクノロジーを使うのか、それともアナログなのか。
演じるプロフェッショナル、製作のプロフェッショナルの皆さんが会場にいらっしゃるわけで。なおかつ、全米、そして全世界にもその様子が生放送されるので、みんなを驚かせなければいけないという宿命を背負っている。
アカデミー賞は、いろんな形で米国のショービジネスがここにあるんだっていうことが感じ取れるもの。時代のいぶきや空気を読み取りつつ、演出方法だったり、映像の斬新な使い方もあれば、往年のハリウッドへのオマージュもある。
今年は大統領選挙の年なので、練り込まれたスクリプトに米国の今を感じることができるでしょうし、女優が美しいドレスで登場するレッドカーペットのような夢のような世界もある。夢の世界と司会がえぐるリアル、それが両立するのも、本当に稀有(けう)な時間だと思いますね。
――WOWOWの視聴者の楽しみ方は?
まだ公開前で見てもいない映画だし、分からないとお思いになるかもしれませんが、ちょっと待ってください、と。こんなに盛り上がっていますよ、こんなスピーチしましたよ、こんな残念そうな顔をしましたよ、何なんだろう、その映画は……って。導入として、アカデミー賞は最高なんじゃないですかね。ぜひ楽しんでください。
*「第88回アカデミー賞授賞式」の模様は、29日午前9時からWOWOWプライムで生中継する(同時通訳)。同日午後9時からは字幕版で再放送。
作品賞:「レヴェナント:蘇えりし者」▽「マッドマックス 怒りのデス・ロード」▽「ブリッジ・オブ・スパイ」▽「マネー・ショート 華麗なる大逆転」▽「ブルックリン」▽「オデッセイ」▽「ルーム」▽「スポットライト 世紀のスクープ」
監督賞:アレハンドロ・G.・イニャリトゥ「レヴェナント:蘇えりし者」▽ジョージ・ミラー「マッドマックス 怒りのデス・ロード」▽アダム・マッケイ「マネー・ショート 華麗なる大逆転」▽レニー・アブラハムソン「ルーム」▽トム・マッカーシー「スポットライト 世紀のスクープ」
主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ「レヴェナント:蘇えりし者」▽マット・デイモン「オデッセイ」▽ブライアン・クランストン「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」▽マイケル・ファスベンダー「スティーブ・ジョブズ」▽エディ・レッドメイン「リリーのすべて」
主演女優賞:ケイト・ブランシェット「キャロル」▽ブリー・ラーソン「ルーム」▽ジェニファー・ローレンス「ジョイ(原題)」▽シャーロット・ランプリング「さざなみ」▽シアーシャ・ローナン「ブルックリン」
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2024年12月23日 21:00時点
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