俳優の石倉三郎さんが19日、東京都内で行われた映画「つむぐもの」(犬童一利監督)の初日舞台あいさつに登場した。同作が映画初主演の石倉さんは「今日は朝から落ち着かず、そわそわしていた。お客さん来てくれるのかって。主演俳優の責任というか、主演はつらいよって……」と心境を明かし、会場の笑いを誘った。舞台あいさつ終盤には、公私ともに親しい小松政夫さんと寺尾聰さんが花束を持って祝福に駆けつけ、石倉さんを喜ばせていた。
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マイクを渡された小松さんは「私、人前でマイクを渡されたって『電線音頭』しかやったことないんだから」と笑わせつつ、「友人である石倉三郎を今日は誇りに思う。こういうシリアスな心に響く芝居を見せてもらい、非常に感動している。我々は三枚目だといつも思っているが、三枚目こそ、こういうシリアスなドラマをこなせるんじゃないかなと、今日(映画を)見て思った」と賛辞を贈り、「同い年の親友。妙に気があって数少ない飲み友達」という寺尾さんも、「1年以上前に電話いただいて、『今、映画撮っているんだよ。初主演なんだよ』って聞いて。自分の代表作として残るものを彼が今回作り上げたのは友達としてうれしく思う」と語った。
映画は、石倉さん演じる倒れても人の手は借りたくない頑固な越前和紙職人と、キム・コッピさん演じる韓国からやって来た女性が、介護を通して深い絆を育む様子を描く感動作。舞台あいさつには、吉岡里帆さん、日野陽仁さん、隆さん、本多章一さん、結城貴史さん、広澤草さん、伊東愛さん、犬童監督らも登場した。NHK連続テレビ小説「あさが来た」のあさの娘の親友・宜(のぶ)役が話題の吉岡さんは、映画について「私にとって宝物のような作品」と語り、「たくさんの人に見ていただいて、感無量です。感謝が止まりません」と客席に向けて話していた。
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