佐藤浩市:熊本地震の被災者に思いをはせ… 群馬で主演作「64-ロクヨン-」ヒット祈願 

映画「64-ロクヨン-」のヒット祈願をする佐藤浩市さん(中央)と原作の横山秀夫さん(左)
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映画「64-ロクヨン-」のヒット祈願をする佐藤浩市さん(中央)と原作の横山秀夫さん(左)

 俳優の佐藤浩市さんが17日、主演映画「64-ロクヨン-」(瀬々敬久監督)の舞台となった群馬県前橋市の上野総社神社で行われた大ヒット祈願に出席。今作と同じ横山秀夫さん原作のドラマ「クライマーズ・ハイ」の撮影でも群馬を訪れたことがある佐藤さんは、「(横にいる原作者の)横山さんの方が感慨深いのだろうなと思いながら、ご縁が深い場所で(ヒット祈願を)迎えることができて幸いです」としみじみと語った。そして、「こういうときですので、我々のことだけではなく、失われたものが多々ある中で、九州の方々が一刻も早く日常を取り戻してくれるようにと思って今、この地におります」と熊本地震の被災者を思いやった。

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 ヒット祈願には横山さんと、ご当地ゆるキャラの「ぐんまちゃん」も応援に駆けつけた。祝詞奏上や参拝などで映画のヒットを祈願したあとは、そろって取材に応じ、自身が演じる県警警務部の広報官・三上義信役について佐藤さんは「(演じる役柄の)人間として、そこに立っていられるのかということを、自分ができるかどうか」を考えながら演じたことを明かし、「組織の中で、誰もが生きている上で(三上が直面するような問題は)起こりうると考えると、自己投影しながら見ていただけるような作品」と映画の仕上がりに自信を見せた。

 佐藤さんはぐんまちゃんとは「(会ったのは)初めてです」といい、「ぐんまちゃんは一人しかいないの?」と冗談めかして問いかけ、ぐんまちゃんが困っていると、佐藤さんは「ごめんなさいね」と楽しそうに笑った。

 横山さんは「これ以上、悪いことが起こらないようにともお祈りしました」と被災地への思いを語ったあと、映画について「原作者としては、原作を超えたとか映画に負けたとかは言いませんけれど、“本物”と呼ばれる人間たちが結集して本気で物を作ると、こんなにもすごい映画ができるのか。手ごわいと感じた」と映画を絶賛。佐藤さんは「ここが見どころとか、なにが面白いとかを言うつもりはなく、老若男女問わず劇場に来ていただければ、手に汗握る映画になっていると思います」と力強くメッセージを送った。

 映画は、横山さんの同名小説が原作。昭和64(1989)年1月に起きた通称“ロクヨン”と呼ばれる誘拐殺人事件の時効が近づく中、平成14(2002)年にロクヨンを模倣した事件が発生し……というストーリー。映画は前後編で前編が5月7日、後編が6月11日に公開される。(遠藤政樹/フリーライター)

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