俳優の綾野剛さんが29日(現地時間28日)、米・ニューヨークで開催中の映画祭「第15回ニューヨーク・アジア映画祭」の授賞式に出席し、今後の活躍が期待される俳優に贈られる「ライジング・スター賞」を受賞した。綾野さんは英語で「会場の皆様、本日はご来場いただきありがとうございます。ニューヨーク、最高です!」とあいさつし、観客からは歓声と祝福の拍手が巻き起こった。
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ニューヨーク・アジア映画祭は、22日から開催している北米有数のアジア映画祭。ライジング・スター賞は、日本人ではこれまで、2011年(第10回)に山田孝之さん、12年(第11回)には長澤まさみさん、14年(第13回)には二階堂ふみさん、15年(第14回)には染谷将太さんが受賞している。綾野さんは公開中の主演映画「日本で一番悪い奴ら」(白石和彌監督)での熱演が受賞の決め手となった。
授賞式には白石監督も出席し、綾野さんは「個人がこの賞を受賞したとは考えておりません。作品が評価され、私が代表として、今日この賞をいただいたのだと思っております。この作品に、白石監督に、そして本日この場にお越しくださった会場の皆様に感謝申し上げます」と語り、「二ューヨークに来てたくさんのパワーをいただきました。エンターテインメントのありとあらゆる可能性に満ちあふれていて、この地で体感したことを自らの糧にして、今後の作品にも生かしていきたいと考えています」と抱負を語った。
「日本で一番悪い奴ら」は、稲葉圭昭さんによる手記「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」(講談社文庫)が原作。実際にあった警察の不祥事「稲葉事件」をテーマに、北海道警の警部・諸星要一が逮捕されるまでの26年間を痛快に描いている。全国で公開中。
同作は映画祭で上映され、観客の反応を見た綾野さんは「笑いながら楽しんで見ていただいたことに、とても感銘を受けています。ある出来事をきっかけに、物語は重厚感を増していきますが、会場のリアクションもそれに応じて呼吸していた」と語り、白石監督は「聞くところによると、ニューヨークでも警察の不祥事などがあるようですし、ギャングもいる。そのような環境で、どう見てもらえるのか不安だったけれど、楽しんでもらえて安心しました」と話した。
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